2017年4月に月乃音 中国茶稽古が開講されて早いもので5年が経ち、6年目を迎えます。今年は、3月の井山三希子展での茶会からスタートして、5回のお稽古を開催することができました。今年のテーマのひとつとして、中国大陸の「福建省」のお茶を、歴史的背景、産地から産地への流れや、特徴を絡めて学びを深めました。
思い起こせば、お稽古が始まった当初は、中国茶稽古 というもの全てが、新しく出会うことばかりで、何もかもが新鮮でした。新しい出会いが、少しづつ知識となり、体験が経験となり、段々と回を重ねるごとに、今、すこーし点が点線くらいになってきたのでしょうか。
スタートした当初からご参加いただいている生徒さまも、12月のお稽古からご参加された生徒さまも、同じ空間で学ぶことで、また新たな気づきもあり、今年一年を振り返っています。来年もお稽古、開催致します!
それでは、2022年のお稽古日程のご案内です。
先日は、今年最後のお稽古がありましたので、その様子を少しご紹介させていただきます。
12月のお稽古のテーマは、福建省の茶産地 安渓(アンシー)の鉄観音の学びを深めました。「中国名茶之故郷」として、福建省の二大生産地は、安渓の鉄観音が南路を誇る茶産地として挙げられ、そして、北路の茶産地が武夷山の岩茶と言われています。また、安渓鉄観音は、武夷岩茶を起源としており、「炭焙」を施すことが古来の製茶の特徴であった「濃香型」が確立して、その後「清茶」さらに「密茶」そして、「陳香」へと時代と共に変容を遂げてきました。
今回のお稽古では、その古来の製茶、焙煎した香ばしい香の「濃香(ノンシャン)」と、緑茶に近い、爽やかな香の「清茶(チンシャン)」の飲み比べをしました。
また、今回のお稽古では、先月まで/galleryで開催しておりました岩田圭介さんの器を使って、お稽古を致しました。中国茶のお道具、茶器は、同じ用途でもいくつかの種類があります。それぞれの茶葉の特徴により、使う(選ぶ)茶器も変わります。お稽古を通して、その茶葉の特徴から、茶器を選ぶ、茶を最大限に美味しくいただくことも学びのひとつです。そして、先生がしつらえてくださる空間がお稽古の楽しみ、醍醐味でもあります。
今回のお稽古は、岩田さんのコロコロとした花入や、ころんとした丸みのある急須、それぞれの茶器のフォルムと、集まった時にみえてくる形、そして、茶器(モノ)と茶器(モノ)の 間(ま) が絶妙で、とても心地よく、コンポジション(構成)という言葉が浮かんできました。また、生徒さんが座っている場所によって、見え方、コンポジションも変わり、それがまたとても楽しく、深く、新たな感覚を味わえたひとときでした。
お稽古は、ご参加された方が、それぞれのタイミングで、心に響く何かに出逢い、ひとつ学びが深まります。もちろん忘れていくこともありますが、身体や心で実際に感じた感覚は、覚えているものです。その感覚を繋ぎ合わせて、点だった知識が点線に、そして、1本の線に、そして枝分かれしていくことが、これからの楽しみです。
ぜひファクトリーズーマの中国茶稽古にご参加されませんか。心よりお待ちしております<y>