factoryzoomer

/life - gallery exhibition

/ life - gallery で開催する、国内外のヒトやモノを紹介する展覧会の一覧です。

color

2024.03.20 /life - gallery exhibition

2024.04.06sat.-04.14sun.

12:00-18:00

 

 

 色を使って作品を作りたかった私は、どんな色を使うかにあまり、興味がなかった。というか、決める事が出来なかった。悩んだあげく、それならば、全ての色を並べてみよう!私自身が色を選択する必要はないのかもしれないと、考え直してから、いろいろなことがまとまり始めた。ひとつの大きなテーブルに並べた色のコップには、人種や偏見などで人を差別しないようにと願いを込めた。そして、並んだコップを眺めているうちに、色についてあらためて、学ぶことになる。当たり前と言われそうだが、考えても見なかった…。色は、他の色によって見えかたが違ってくる。引き立てあっているんだと、なんだか人間も同じだ。自分一人で生きているように意気がっていても、まわりの多くの人に支えられ、引き出されて一人一人が、今そこに在るのだと。

73rd exhibition 佃眞吾

2022.11.5 /life - gallery exhibition

2022.11.25fri.-2023.01.08sun.
12:00→18:00
※12月30日(金)〜2023年1月2日(月)までお休みを頂きます。1月3日(火)から通常営業となります。

music:
the clash / sandinista!



photo by suzuki shizuka



曲線と直線


器物を作っていると、必ずぶつかる地面との接点、そして、宙へと放たれた口元の処理。この2箇所に作家らしさを見つけることが多い。土、木、ガラスなどの素材により、その仕上げ方はいろいろだが、柔らかく仕上げるか、キリッとさせるかなど、ごちゃごちゃ考えているうちに素材はすぐ、新鮮味を失い、グッタリしてしまう。迷いなく手を(道具を)入れていかなくてはいけない。結局は、作り手自身の経験とセンス(またこれか!)に委ねられるわけだ。
佃眞吾さんはその柔らかさと鋭さを巧みに使い分ける作家である。丸いものは丸く、真っ直ぐなものは真っ直ぐにと、その決断に迷いがない。特に私が好きなのは、彼の掘り出す曲線だ。仕上がった作品は、どこか生き物のようにも見える。もともと、命を持っていた木を素材にしている作家にとって、それが、呼吸をしていたんだという形跡を残すかのような柔らかいアール。ずーと、ずーと、ずーと、触っていたくなる。 辻和美



●今展覧会は、曲線(丸いもの)、12/17(土)より直線(まっすぐなもの)と分けて佃さんの持つ作家としての幅の広さを十分にみていただけるように考えています。



佃眞吾 経歴

1967年滋賀県長浜市生まれ。1990年京都にて家具職人として働く。1992年職人の傍ら「黒田乾吉木工塾」に通い木漆一貫仕事を学ぶ。1995年京都井口木工所にて家具・指物職人として働く。2004年京都市梅ヶ畑にて独立。2022年現在、同地にて制作。国画会工芸部会員。

72nd exhibition anspinnen

2022.10.5 /life - gallery exhibition

2022.10.21 fri.- 11.20 sun.
12:00→18:00

music:
Don Peris / The old century
Gareth Dickson / Harmonics



photo by suzuki shizuka



ANSPINNEN=紡ぐ・繋ぐ2022


今年もそろそろ、セーターのお世話になる季節がやってきた。カシミアに少しシルクが入っている薄手のものから始まり、朝晩冷え始めたら、カシミア100%の厚めのものになり、さらに、重ねていったりと、春夏はTシャツばかり着ているように、秋冬はセーターばっかり。一度カシミアのセーターを着始めると、もうなかなか元には戻れない、と思っていたのだが、最近また薄手のウールのシャキッとした感じにも惹かれている。本当に何枚買えば気がすむんだろう…。(とほほ)
factory zoomerではお馴染みのANSPINNEN(スピネン)は、原料の輸入から紡績、撚糸という糸作りから始まり、セーターやストールなどのデザイン、製作、そして販売までと、自分たちの工場を中心に生産を行うファクトリーブランドである。安心の担保はもちろんのこと、価格も頑張って抑えてくれている。セーター好きには心強い味方である。今年も選りすぐりの素材でフワッフワッのセーターを沢山持ってきてくれます。また、フレグランスキャンドルのLOと新たにジュエリーブランドMAISON RUBUS.も応援に駆けつけてくれています。どうぞお楽しみに。 辻和美



●会期中、ヴィーガンフレグランスキャンドル「LO(ロー)」、ジュエリーブランド「MAISON RUBUS.(メゾンルーバス)」のアイテムを併せてご紹介いたします。



ANSPINNEN 経歴

ANSPINNEN(スピネン)は2019年デビューの日本で唯一、紡績から撚糸までを一貫で行う紡毛紡績メーカーの小金毛織株式会社が、大井幸衣氏をディレクターにむかえ立ち上げたファクトリーブランド。国内でカシミヤを紡績出来るわずか3社のうちの1社。原料からこだわるものづくりをテーマに、自社で作成した最高品質の糸を、日本が誇る繊細で細やかな技術力を活かした製品を提供。同時に日本の技術を継承することを目指す。


71st exhibition vrisko

2022.09.1 /life - gallery exhibition

2022.09.16 fri.- 10.16 sun.
12:00→18:00

music:
Gel / Dolce



photo by suzuki shizuka



Vrisko=見つける、探す


「vrisko」のお二人の仕事は、100年ほど前の、ヨーロッパの教会服や寝衣など、現代でも着心地が良く着れるものをヨーロッパで見つけて紹介することである。ギリシャ語で「見つける、探す」という意味を持つ、「vrisko」を彼らの店の名前にしたのも、そんなとこからだという。アパレル業界での販売至上主義と季節ごとでの展開に疑問を持ち、もともと好きだったヨーロッパの古着の世界に本格的に入っていったのが9年前。仕入れはもっぱらフランスで、もう行く先は、ほぼ決まったところだけ。古着の中でも、手仕事の美しいレースやギャザー、質の良いリネンなど、ついつい置いて帰れず、持ち帰る(笑)。そして、その後の裏仕事の多さといったら、私たちの想像を超える。まずは洗濯、そして洗濯、それから、一点一点ほころびやボタンのチェック、その繕い。その後、黒、赤とオリジナルの染料で染色と、私たちの前に何気に並ぶまでの時間の方が長い。
日本人が日常的に洋服を着るようになって、まだ100年ちょっと。「vrisko」が選ぶ100年前の服が今、現代の日本人に本当によく似合う。 辻和美

●9/16(金)17(土)18(日)は、Vriskoのお二人が在廊してくださいます。
●9/16(金)17(土)の12:00〜15:00は事前ご予約制とさせていただきます。
 ご予約方法はこちらの記事をご確認ください。→



vrisko 経歴

2013年設立
東京|板橋にて福田雄司・福田玉水の夫婦で営む古着屋。
年に数回フランス各地を巡り、人や物と触れ合いながら、大切に使われてきた現代に残る古服を譲り受ける。古い時代特有の素朴な生地感・着心地の良いシンプルな服から、凝った創りの心躍る服、永く愛用してもらえるスタイルを提案している。


70th exhibition lee gee jo

2022.07.27 /life - gallery exhibition

2022.08.12 fri.- 09.11 sun.
12:00→18:00

music:
max bruch / kol nidrei
kun woo piak / gabriel faure “nocturne”
arthur rubinstein / beethoven “piano sonata”



photo by suzuki shizuka



白に挑む


韓国、ソウルに行くと必ず訪れるタプシムニという骨董街がある。古いスッカラ(匙)や麻紐、紙、木工品などをサラッと見て、いつも最後は、李朝白磁の店で、長居をすることになる。李朝時代といっても500年以上続く中で、韓国の陶磁器は変化を続けたが、17世紀に王室の器として白磁が全盛期を迎えた。韓国の儒教の教えもあり、装飾ではなく、素の美しさと品格が何よりも重視された。今回、2度目の展覧会になる、イ ギジョウさんは、その李朝白磁を現代に甦らせ、さらに、古典の写しに留まらず、現代生活に合わせた器を、作り続けている。反復により作られる器は、李朝白磁の品格を纏いながらも、日本人の私たちの生活にもしっかりと活躍してくれる。そのギジョウさんが、最近、薪窯による制作を始めたという。タルハンアリ(満月壺)や高台器など李朝時代を思わせる大らかで、多くのことを受け止めてくれるそんな器を見せてくれた。ちょっと、ギジョウさん本人にも見えた。作家人生の後半になり、さらに、李朝白磁に近づきたくなったという。「無技巧の技巧」「無計画の計画」「徹底した平凡」「アマチュアリズム」「清貧の美」などと賛美されるそこに、やはり挑んでいくのですね。ギジョウさんの白磁、どのように変化してきたか楽しみでなりません。  李朝白磁lover辻和美



Lee Gee jo 経歴

陶芸家。韓国現代白磁の第一人者。
1959年韓国済州島生まれ。 
1981年ソウル国立大学入学、87年美術学士取得。89年美術学修士取得。
1995年韓国、安城にある中央大学校芸術学部教授に着任。
1998年より、安城にアトリエを構え、農作物を育て自然の様子を観察しながら、白磁の制作を行う。
作品発表の場は、韓国だけにとどまらず、日本、欧米、ヨーロッパなどでも広く活動する。


69th exhibition sankaku

2022.06.25 /life - gallery exhibition

2022.07.08 fri.- 08.07 sun.
12:00→18:00

music:
ichi / mono
SAKEROCK / MUDA



photo by suzuki shizuka



描くように縫う


カタコトカタコトと響くミシンの音。沖縄で洋裁店を営む母を見て育ったサンちゃんと妹のミカちゃん。祖母が洋裁学校の先生をしていたというロミちゃん。この3人が自分の服を自分で縫い始めるのは、とても自然なことだったのかもしれない。みんな、自分に合う気に入った服がないなーという軽い気持ちで服を縫い始めたという。お気に入りの布を見つけると、型紙も線もひかず、そのままミシンに向かって縫うらしい。それはまるで、絵描きが筆を持つようなことなのかもしれない。自分のために作った服が、友人のために作る服になり、そのまた友人のためにと作っていたところ、ある日、素敵なお店から展覧会の依頼が来た。半信半疑だったが、でも、とにかく、自分たちの服にsankakuという名前を付けた。それが彼女たちの旅の始まりになった。 辻和美
注)サンちゃん=大城さゆりさん、ミカちゃん=山城美佳さん、ロミちゃん=新垣ロミさんです

●初日の7月8日(金)は、サンカクの皆さんが在廊してくださいます。



SANKAKU 経歴

沖縄在住の新垣ロミ、大城さゆり、山城美佳の3人でインドの布や着心地の良い生地で毎日が楽しくなる服を制作しています。結成2016年。


68th exhibition okabe masanori

2022.06.5 /life - gallery exhibition

2022.06.24 fri.- 07.03 sun.
12:00→18:00

music:
wong wing tsan / fregrance



photo by suzuki shizuka



モノとの付き合い


モノとの付き合いも長くなり、どんどん目が肥えてくると、友人たちは、骨董品、古物品に行き着いている。その理由は様々だが、ひとつに、「唯一無二」というところが、所有欲をグッと刺激してくるようだ。人と同じではないモノ、誰も持っていないモノを、コッソリと手に入れ、自分の周りに置きたい。ひとりで、そのモノとの時間をゆっくり楽しむのは至福の時間だし、時には、それを友人たちにシェアして、賞賛も欲しいし、一緒の時間も楽しみたい。モノとの付き合いが成熟してくるのは、平和な時代の象徴であろう。そして、今回、この身につける1000年以上前に作られた石、ビーズたちは、古代ローマ、ペルシャの時代の文化がいかに円熟していたかを私たちに見せ付けてくる。機械もない時代に、長い時間と手間をかけ、色や模様で意味を持たせ、あるものは邪を払い、身を守ってくれるお守りとして、またはその人の身分を表わすものとして作られ、現代まで残って来たモノだ。その紹介者、オカべマサノリさんは、自ら、紐を編み、まさに、古代と現代を繋ぐ仕事をしている。「唯一無二」の石の存在の邪魔をせぬよう、優しい金の金具と細く撚られた紐だけで、装身具を作り、今を生きる私たちの日常に蘇らせてくれている。人から人に手渡され、きっと、また別の誰かのもとへ、縁があって自分のところにいる、その短い時間だけど、大事に付き合って行きたいものだ。 辻和美

●会期中、全ての日程でオカベマサノリさんが在廊してくださいます。お好きなビーズでお仕立てしていただくこともできますので、ぜひオカベさんとお話しながらアクセサリーをお選びください。



オカベマサノリ 経歴

1964年、福岡生まれ。30代からアクセサリーを制作。
1300年前に作られたチベットのDZI BEADS(ズィービーズ)と出合ってから、古い時代のビーズに魅せられていく。おもに1000年以上前に作られた古代のビーズを使って、アクセサリーを制作。昔の人たちが自分の印(しるし)のようにビーズを身に着けていたように、日々の暮らしに寄り添うアクセサリー作りを心がけている。
福岡県浮羽在住。


67th exhibition factory zoomer

2022.05.18 /life - gallery exhibition

2022.06.03 fri.- 06.19 sun.
12:00→18:00

music:
cnblue / blue sky
norah jones / the grass is blue



photo by sasaki takanori



reclaimed blue project/再生する青


10年前に「reclaimed blue project / 再生する青」と名付け、工房にたまった廃棄用の黒いガラスとご家庭でご不要になった、もしくは破損した当工房の作品の引き取りを中心に、溶かし直しを始めた。(幸いにも作品をそのまま、返してくる方はまだいない)ごちゃ混ぜに溶かすと、絵の具のようにグレーのガラスになるかと思いきや、藍色とよんでもいいような深い青が生まれた。特別な調合をしたわけでもなく、ガラスの持っている性質に逆らうことのない溶かし直しで、オマケのようにできた美しい青。直感的に、自由で、少し特別なモノを作ろうと思った。リサイクルを声高々にうたうことはしたくない。これからは、それが、当たり前の時代がくる、モノを生み出す人間として心に刻みつけておこうと思い10年。世の中がSDGsと騒ぐ中、私はいったい何ができているんだろうか?相変わらず、ガラス制作には、電気もガスも水も使う、せめて、人の気持ちを癒し、生活を豊かにするモノを精一杯作り、手渡していきたいと願うばかりだ。 辻和美



辻和美 経歴
1999年金沢に、ガラス工房factory zoomerを設立。ガラス器の新しいスタンダードを目指し、デザイン・制作を行う。その後直営店factory zoomer / shopをオープン。2009年金沢市文化活動賞。2010年〜2016年まで生活工芸プロジェクトディレクターを務める。2016年factory zoomer / galleryをオープン。


※6/3(金) 終日、6/4(土)の 一部の時間帯 は、事前ご予約制とさせていただきます。ご予約方法は、factory zoomerのホームページ“information”の最新の記事をご覧ください

66th exhibition yano yoshinori

2022.04.13 /life - gallery exhibition

2022.04.29 fri.- 05.29 sun.
12:00→18:00

music:
haruka nakamura



photo by suzuki shizuka



静かな熱量


人は、目に見えるものだけ、耳で聞こえるものだけを、全てだと思いがちかもしれない。でも実は、見えないものの中に真実が隠されていたりすることも世の中には多くある。アートなんかは、まさに見えないものを見せていくようなことだとつくづく思う。のようなこ
とを、矢野さんと話しながら、考えていた。彼は、幼いころから、画家である母の影響で、絵を描いていたが、モチーフを描くのではなく、そのまわりの空気を描くようにと言われ、それがどういうことかの答えをずっと探してきた。

「空気を描くってどんなことだろう? 空気を描くってどんなことだろう?」

矢野さんの答えは、その後、ひょんなことから出会い、今の彼を象徴する木の仕事の中にあった。彼が作るものは、板だったり、箱のようであったり、へこんでいるから器のようであったり、人間と接点があるような、ないようなものであるが、そこに、それがあるだけで、空気を作る——そう、空気を描くのだ。目に見えない周りの空気をも作品にしてしまう静かなエネルギーを放っている。空気のような無味無臭な作品が目立つ昨今、ちゃんと匂いがする作家に久しぶりに、出会った気がした。  辻和美



矢野義憲 経歴

1973年 東京都生まれ
1998年 スウェーデン エーランダ島の手工芸学校に短期留学
2000年 木工造形作家の元で指導を受け制作を始める
2003年 福岡県糸島市に自宅、工房を構える
10年間、美術館、博物館、茶室、能舞台で年に1度だけ個展を行なう
その後、国内外で個展を開催する


※4/29(金) 終日、4/30(土) 一部の時間帯 は、事前ご予約制とさせていただきます。ご予約受付は終了いたしました。

65th exhibition nakamoto junya

2022.03.13 /life - gallery exhibition

2022.03.25 fri.- 04.24 sun.
12:00→18:00

music:
Andrés Segovia/The Baroque Repertoire, Vol.2
Vladimir Horowitz/Horowitz Plays Schumann



photo by suzuki shizuka



中本土器的生活推進研究所


「これと同じモノをオーダーしても決して同じモノが来ないよね!」と、お店の方からいつも、怒られるんですよ。でもそんなもん覚えてないですよね。同じ夢は二回見ないもん。とあっけらかんと、作る気がありましぇーん。と言っている。炉から出て来たばかりの、ボテっとした形の白磁は、どれも同じようで同じでない。食器なのに、今にものっそりと動き出しそうな、動物のような佇まいがある。「中本さんの作品は、形が勝負ですよねー」と思ったまま、投げかけてみた。即座に「形じゃないんですよ。印象なんですよ」と返ってきた。これは、シメた!と思った。多分、それを聞きにここまできたような気がした。作家が見ているのは、目の前の形や色やテクスチャーではない、何か、もっと遠くの掴めそうで掴めない輪郭、それを彼は「印象」と呟いた。それに近づくための、同じようで同じでない形。白のなかの無限の幅。作家の果てしない宝探しの旅は、今日も続いている。 辻和美



中本純也 経歴

1967年生まれ。素朴な焼き物に憧れて、1999年より薪窯による器づくりを始める。現在は磁器を薪窯で制作。

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