factoryzoomer

66th exhibition yano yoshinori

2022.04.13 /life - gallery exhibition

2022.04.29 fri.- 05.29 sun.
12:00→18:00

music:
haruka nakamura



photo by suzuki shizuka



静かな熱量


人は、目に見えるものだけ、耳で聞こえるものだけを、全てだと思いがちかもしれない。でも実は、見えないものの中に真実が隠されていたりすることも世の中には多くある。アートなんかは、まさに見えないものを見せていくようなことだとつくづく思う。のようなこ
とを、矢野さんと話しながら、考えていた。彼は、幼いころから、画家である母の影響で、絵を描いていたが、モチーフを描くのではなく、そのまわりの空気を描くようにと言われ、それがどういうことかの答えをずっと探してきた。

「空気を描くってどんなことだろう? 空気を描くってどんなことだろう?」

矢野さんの答えは、その後、ひょんなことから出会い、今の彼を象徴する木の仕事の中にあった。彼が作るものは、板だったり、箱のようであったり、へこんでいるから器のようであったり、人間と接点があるような、ないようなものであるが、そこに、それがあるだけで、空気を作る——そう、空気を描くのだ。目に見えない周りの空気をも作品にしてしまう静かなエネルギーを放っている。空気のような無味無臭な作品が目立つ昨今、ちゃんと匂いがする作家に久しぶりに、出会った気がした。  辻和美



矢野義憲 経歴

1973年 東京都生まれ
1998年 スウェーデン エーランダ島の手工芸学校に短期留学
2000年 木工造形作家の元で指導を受け制作を始める
2003年 福岡県糸島市に自宅、工房を構える
10年間、美術館、博物館、茶室、能舞台で年に1度だけ個展を行なう
その後、国内外で個展を開催する


※4/29(金) 終日、4/30(土) 一部の時間帯 は、事前ご予約制とさせていただきます。ご予約受付は終了いたしました。

pagetop