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ヤンさんのトレイ

2019.09.19 gallery blog

ヤンビョンヨン展が始まり二週間。街の空気も透き通り、ようやく過ごしやすい季節となりました。今年もあっという間に終わってしまいそうです。

今回はトレイ(お盆)を紹介いたします。

漆器のお盆は洗いやすく衛生的。その様な性質上、お皿のようにそのまま食材を盛り付けることも出来る。年中活躍する道具です。

日本ではこれからの季節、特におもてなしの機会も多い年末年始には、重宝されますね。漆器をひとつ取り入れることで、いつもの食卓もパッと華やかに。少し特別な空間を演出してくれます。気持ちも新たに自然と背筋も伸びることでしょう。

工業デザインを学ばれていたヤンさん。トレイもシンプルで洗練されたデザインです。一見すると凛とした雰囲気ですが、しっかりとあたたかみを感じます。…何故なのでしょうか?それには作家の意図が隠れていました。

ひとつひとつ異なる彫り跡。通常はサンドペーパー等で素地の彫り跡を消すところを、ヤンさんはそれを残した状態の上に漆を塗り、磨いてを繰り返して仕上げを行うことで、敢えて手仕事の跡を残しているそうです。

「作品を通して、自分の手の感覚を大切な人に感じてもらいたい。」

それは妻や子を想うヤンさんの気持ち。全ての作品に込められた願いでもあります。

家事や育児で忙しい奥様の手を、作品を通して手仕事でサポートをしたい。やりやすく出来るように…と。

思い遣りの気持ちが、ぬくもりとなって私達にも伝わるのですね。

「ひとつひとつ違う中から、好きな作品を見つけ出してほしい。」そんな思いから、使用されている木材も異なります。気になる作品がありましたら、お気軽にスタッフまでお尋ね下さい。

実際に作品を手に取ると、ぽってりとした厚みや、優しい漆の色味がよく分かります。

それは、ブログでは紹介しきれないあたたかみ。様々な角度からその素晴らしさを感じ取っていただきたいです。

ぜひ畳の上でゆっくりと、店頭にてご覧下さい。ご来店をお待ちしております。(f)

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