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お互いの良さを引き出す

2020.11.15 gallery blog

広坂の紅葉もそろそろ終盤を迎え、歩道には落ち葉の絨毯が広がっています。朝晩が少しづつ冷え込み、コートやストールなどを手にするようになってきました。そして、冬支度をしに、温かそうなアイテムに引き寄せられ、たくさんの方がANSPINNEN展に足を運んでくださっています。

今日は、ANSPINNENのアイテムの中から、カシミヤとシルクやコットンなど、違った素材同士の組み合わせのアイテムをご紹介したいと思います。
紡績の段階で素材同士を混ぜる事を「混紡」といいますが、ANSPINNENで使用している糸は、そうではなく「撚糸」。
「撚」とは撚る(よる)、撚った糸のことを撚糸(ねんし)と言いますが、基本的にニット糸は2本以上の糸を撚り合わせる、撚糸という工程を踏むのが一般的です。撚糸をしていない1本の糸を単糸、2本撚糸した糸を双糸と呼びます。撚糸することで、膨らみや強度が増し、編み目も綺麗になり、単糸を編むことで、圧倒的な軽さや、独特の風合いを表現できるという特徴があります。
ANSPINNENの違った素材同士、純度100%の糸を撚って作った素材は、それぞれの良さが生かされ、また、着用していくうちに徐々に出てくる風合いの変化も楽しんでいただけます。

スーパーファインカシミヤシルク/ブルゾン
スーパーファインカシミヤシルク/ワンピース

こちらは、カシミアとシルクの撚糸のブルゾンとワンピースです。
シルクという素材は、動物繊維の中で唯一の長繊維で、紡績して糸にするのには不向きです。
短い繊維の再上質な部分だけを集めて、紡績して作られたシルクを絹紡糸(けんぼうし)と言います。絹紡糸は空気を多く含み、軽くてふんわりとした柔らかな風合いで、シルク本来の特徴は失われず、独特の光沢、保湿性、放湿性に優れ、適温保持機能があり、夏は涼しく冬は暖かい特徴があります。紡績糸は、自社素材との撚糸にも馴染みやすく、お互いの良さを引き出すことができます。
スーパーファインカシミアシルク素材は、スーパーファインカシミアの単糸と、絹紡糸を撚糸しました。シルクの持つ光沢や機能などを一切殺すことなく、カシミアの風合いも活かした新たな素材です。カシミアオンリーよりも、肌触りがよりスムースで、シルクの保湿性によりしっとりしています。鹿子織のブルゾンやワンピースは上品な印象を与えてくれます。


ファインカシミヤバルキーコットン/ベスト
ファインカシミヤバルキーコットン/クルーネックケーブルセーター

コットンも紡績をしているANSPINNEN。コットンの軽やかさと伸縮性、カシミアの温かい糸が撚糸されることで、オンリーコットンより柔らかく、軽く、そして暖かく仕上がっています。着用していくうちに徐々に出てくるそれぞれの特徴と、風合いの変化をぜひ楽しんでいただきたいです。

エクストラファインカシミアシルク/Vネックセーター
エクストラファインカシミアシルク/カーディガン
エクストラファインカシミアシルク/ストール

こちらは、先にご紹介したカシミヤシルクのカシミア糸がエクストラファインカシミアとシルクの撚糸になります。エクストラファインカシミアは、スーパーファインカシミアよりも細い番手(糸の細さ)になりますので、より軽やかな印象があり、1年中ご使用いただける素材です。ストールはご旅行や、移動の多い方には一枚カバンに忍ばせておくのもお勧めで、くるくると巻いた状態で持ち運びができますので、とてもコンパクトになります。

それぞれの素材には、各々の特徴があり良さがあります。その良さを熟知して、そして存分に生かして制作されているANSPINNEN。それを手にした方が着用することで、風合いが変化し、より生かされていく。きっといつの間にか手を伸ばしているというのは、肌に馴染んでいる、肌の一部になっている証拠ですね。そんな一枚をぜひ探しにいらしてください。そして、おうちでのお洗濯も楽しんでいただいて、より愛着が持てる一枚にしていただきたいです。ぜひANSPINNENの冬をお過ごしください。
展覧会は11月29日(日)までになります。ご来店をお待ちしております<y>

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