factoryzoomer

白と黒の境界線

2021.04.24 gallery blog

4月24日にスタートした、井山三希子さんの展覧会も、明日までの開催となりました。毎日、たくさんの作品が色々な食卓へ旅立っていっています。

井山さんが今展覧会に制作してくださった作品は、日常づかいのテーブルウェアと、factory zoomerでの展覧会では欠かせない、中国茶のお茶道具など。

今回、井山さんはお茶道具の蓋碗や茶杯など一部の作品で、“掛け分け”という技法を使った作品に挑戦してくださいました。
掛け分けとは、2種類以上の釉薬を重ならないように隣り合わせ施すことをいい、釉薬の組み合わせによっては隣の色が滲んだり、それをデザインの一部として使われる方もあるのだそう。

井山さんが制作してくださった掛け分けの作品は、内側が白、外側が黒のはっきりとした境目の作品で、口元のふちでパキっと分かれた白黒は、井山さんの器の優しい揺らぎのある形と重なり、優しさと強さが同居したような魅力を感じさせてくれます。

中国茶では、水色(すいしょく)、香り、茶葉の様子などを観察しながらその変化なども楽しみます。
この掛け分けの技法によって、水色や茶葉の様子も拝見できる、シックな黒のお茶席が完成し、茶会「茶と茶」での、白座と黒座が実現しました。


黒座
白座


新しい技法に挑戦したり、釉薬や土を変えてみられたりと、作品をブラッシュアップしていきながら、これからも井山さんの手からどんな作品が生みだされるか、とても楽しみで目が離せません。

掛け分けの作品は完売致しましたが、展示用にお借りしている作品がございますので、ぜひご覧ください。
会期は明日までとなりましたが、プレートなどお選びいただける作品がございます。この機会にお手にとってご覧いただけたら嬉しいです。
ご来店お待ち申し上げております。
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