/gallery、/shop 両店舗で開催中のキムホノ展。
いよいよ今週末、5月30日(日)までの開催となりました。
キムさんの作品はよく「生き物のよう」と、例えられることがあります。
それは、作品のもつ柔らかな歪みやアンバランスな形から、今にも動き出しそうに見えてきます。
20代で焼物の道へ進み、以来40年以上作品を作り続けていらっしゃるキムさんにとって、均整の取れた美しい形のお茶碗や鉢などを作ることは難しいことではないのではないでしょうか。キムさんは以前「気を抜いてしまうと整った形になってしまう」と仰っていたことがあります。
技術の備わったキムさんは、面白いことに、意識していないと手が自然に綺麗な形に作ってしまうのだというのです。
では、この生き物のような作品たちは、どうやって作られて来たのでしょう。
それは、制作の工程の中にわざと “崩れる過程” を作るように意識し、意図的に狙った形で崩すのではなく「意識」して「無意識」に崩れるという工程を作っておらるのだそうです。
例えば、こちらの四角い鉢はろくろで制作されています。
ろくろで作ることが出来るのは丸い形。
それを、丸から一番遠いところ、つまり四角に作り替えることで、自然な歪みが生じ、中央に残ったろくろの丸いうずの手の跡と四角い形が印象的な作品が生まれるのです。
キムさんは、子供の作ったものに魅力を感じるとおっしゃいます。
歪んだり不恰好だったりするそれらは、技量の少ない子供には、精一杯キッチリ作った作品。それらの作品には、作為的な手の跡はありません。
その、あざとさのない崩れが、アーティストであるキムさんの目指しているひとつなのかもしれない。と、思い、そして、歪んだ形を形成することは、綺麗な形を作ることよりもはるかに難しい事なのではないか。とも思いました。
会期がわずかとなりましたが、ぜひ、この生き物のような作品たちをじっくりご覧いただければと思います。
感染対策に注意しながら、お待ちしております。
/online shop でのご紹介作品も、クローズアップしたお写真をご用意しておりますので、ぜひ覗いてみてください。
また、ブログやインスタグラム掲載の作品についても、気になる作品がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。ご説明の後、通信販売に対応させていただきます。
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57th exhibition
kim hono
2021.04.29.-05.30
12:00 → 18:00