2021.2.19 fri.- 03.14 sun.
11:00→18:00
music:
harry dean stanton / partly fiction
photo by suzuki shizuka
温かいプラスチック
大量生産を可能にするために開発された素材のイメージがあるプラスチック(樹脂)だが、この素材を使って一点一点、作品を作る個人作家がいる。名古屋在住のナカオタカシさんだ。彼が制作のパートナーとして選んでいるのは、FRP(繊維強化プラスチック)と呼ばれるもので、ポリエステル樹脂とグラスファイバーを硬化材で固めたものだ。彼は「はい、めちゃくちゃケミカルです。」と、ちょっと申し訳なさそうにするのだが、出来上がった作品からは、そういうことは全く感じさせない、人の手の温もりとモノの形に対する拘りを感じる。作家は素材と出会い、その後、何を作るか? どんな形を作っていくか?素材と形との相性は? など最終形までたどり着くのに、いろいろな問題をひとつひとつクリアしていく。このFRPは、言わば原型を作るための素材だが、その素材のテクスチャーや色や制作過程に、もうこれでしか出せない魅力を見つけてしまったんだろうな。「こんな素材、誰も選びませんよ。時間かかるし、ロス多いし、危険だし。」とニヤニヤ笑う作家、日本で一人かもしれない。 辻和美
●2月19日(金)のご入店は、ご予約の方を優先的にご案内させていただきます。初日にご来店をご希望のお客様は、事前のご予約をお勧め致します。ご予約の詳細については、factory zoomer の HP・Instagramをご確認いただき、order@factory-zoomer.com までお申し込み下さい。
HP:http://www.factory-zoomer.com
Instagram:@factory_zoomer、@factoryzoomer_staff
ナカオタカシ 経歴
造形作家
1972年 愛知県名古屋市生まれ
2001年 おもに合成樹脂・FRPを用いて制作を始める
以降、名古屋市内のアトリエにて制作を続ける