68th exhibition okabe masanori
2022.06.5 /life - gallery exhibition
2022.06.24 fri.- 07.03 sun.
12:00→18:00
music:
wong wing tsan / fregrance
photo by suzuki shizuka
モノとの付き合い
モノとの付き合いも長くなり、どんどん目が肥えてくると、友人たちは、骨董品、古物品に行き着いている。その理由は様々だが、ひとつに、「唯一無二」というところが、所有欲をグッと刺激してくるようだ。人と同じではないモノ、誰も持っていないモノを、コッソリと手に入れ、自分の周りに置きたい。ひとりで、そのモノとの時間をゆっくり楽しむのは至福の時間だし、時には、それを友人たちにシェアして、賞賛も欲しいし、一緒の時間も楽しみたい。モノとの付き合いが成熟してくるのは、平和な時代の象徴であろう。そして、今回、この身につける1000年以上前に作られた石、ビーズたちは、古代ローマ、ペルシャの時代の文化がいかに円熟していたかを私たちに見せ付けてくる。機械もない時代に、長い時間と手間をかけ、色や模様で意味を持たせ、あるものは邪を払い、身を守ってくれるお守りとして、またはその人の身分を表わすものとして作られ、現代まで残って来たモノだ。その紹介者、オカべマサノリさんは、自ら、紐を編み、まさに、古代と現代を繋ぐ仕事をしている。「唯一無二」の石の存在の邪魔をせぬよう、優しい金の金具と細く撚られた紐だけで、装身具を作り、今を生きる私たちの日常に蘇らせてくれている。人から人に手渡され、きっと、また別の誰かのもとへ、縁があって自分のところにいる、その短い時間だけど、大事に付き合って行きたいものだ。 辻和美
●会期中、全ての日程でオカベマサノリさんが在廊してくださいます。お好きなビーズでお仕立てしていただくこともできますので、ぜひオカベさんとお話しながらアクセサリーをお選びください。
オカベマサノリ 経歴
1964年、福岡生まれ。30代からアクセサリーを制作。
1300年前に作られたチベットのDZI BEADS(ズィービーズ)と出合ってから、古い時代のビーズに魅せられていく。おもに1000年以上前に作られた古代のビーズを使って、アクセサリーを制作。昔の人たちが自分の印(しるし)のようにビーズを身に着けていたように、日々の暮らしに寄り添うアクセサリー作りを心がけている。
福岡県浮羽在住。