/life
生活のハレに注目したギャラリーです。毎月、国内外のヒトやモノを紹介する展覧会を開催しています。また、奥のスペースでは、スタンダードシリーズのサンプルをご覧いただけます。
ソバンとの出会い
2019.09.16
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広坂のfacoty zoomer /galleryのヤン ビョンヨンさんの展覧会。
スタートしてから10日あまりがたちました。
初日には、料理家であり、韓国文化のコーディネータでもある、チェ ジウンさんがご用意して下さった、マッコリや韓国のお餅・おつまみなどが並び、異国の雰囲気漂うギャラリーの雰囲気を、お客様に楽しんでいただくことが出来ました。
私たち、日本人にはあまり耳慣れない「小盤(ソバン)」という形。
今回初めて出会った方も多いのではないでしょうか?
日本で言うお膳のような。。。というと伝わりやすいのですが、日本のお膳とはまた少し違って、ソバンは、地域や位に寄って様々なデザインがあり、シンプルな形、彫刻が施されている華やかな形など、とてもバリエーションが豊かです。
ヤンビョンヨンさんがソバンを制作するようになったきっかけは、工業デザインを学んでいた大学時代に読んだ、1冊の書籍との出会いだったそうです。
それは、日本人柳宗悦が韓国の民芸について書いたもので、その本を読みとても強く心を打たれたヤンさんは、大学院を卒業後、韓国文化の家でソバン制作を学ばれました。
柳宗悦は、李朝文化を広く日本に伝えた人物の一人としても知られる方。民芸運動の父も呼ばれ、李朝家具などについての文献も多く残しています。
日本で書かれた韓国の文化を伝える本がきっかけで、韓国のヤンさんが韓国の伝統的な工芸品を作る。
そして今回、日本でそのソバンをご紹介させていただくことが出来ることに、日本の私たちとヤンさんとの不思議なご縁を感じました。
ヤンビョンヨンさんのソバンは、どれも1点もので、漆の厚みや足の形、大きさなどが違います。
ぜひ、店頭にて木と漆の温もりのある作風を手に取って感じていただければと思います。
皆さまのご来店を、心よりお待ち申し上げております。
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本日よりヤンビョンヨン展です
2019.09.6
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本日より広坂の/galleryでは、韓国の木工作家 ヤン ビョンヨンさんの展覧会がスタート致しました。
ヤンさんが作られる、木を削った跡のあたたかみのある小盤。
白漆の作品は、モダンな印象で、現代の生活様式のインテリアの中にもよく馴染みます。
初日の今日は、チェジウンさんがいらっしゃり韓国の蓮花茶やおつまみなどをご用意下さっています。
ぜひ、この機会にご来店下さい。
皆さまのお越しを心よりお待ち申し上げております。
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2019.09.1
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41st exhibition yang byeong-yong
2019.08.22
/life - gallery exhibition
2019.09.06 fri.-10.06 sun.
11:00→18:00
music :
チョーヨンピル/第7集、第8集
photo by suzuki shizuka
ソバン(小盤)
私が韓国の話をする時に、いなくてはいけないオンニ(姉さん)はチェジウンさんという方だ。またもや、十数年前にさかのぼるのだが、二度めのソウルで、美味しい韓定食屋、美しい韓国の伝統工芸、建築など、本当に丁寧に案内してくれた。今回のヤンビョンヨンさんも彼女の家で見つけたソバンがきっかけでもあり、決め手でもあった。それは、ただひっそりと強く主張することもなく枕元に置かれて、水とコップ、小さなお花が添えられていただけなのに、心に残るモノのひとつになっている。
ソバンは韓国李朝時代に主に作られ、広まった、脚付きの小さなお膳のことをいう。地域により、デザインは様々だけど、食事を台所から運び、そのまま食べるという合理的な考えで作られている。韓国の住宅のオンドルから食べ物を守るためにも、床から少し上がったデザインは、理にかなっている。王様、貴族、庶民の生活に至るまで、いろいろなタイプが過去に作られたに違いない。ヤンさんも工業デザインを勉強されたがその後、韓国伝統文化であるソバンに魅せられ、今はひたすらその制作で忙しい。韓国の住宅も日本と同じく、すっかり西洋化が進み、ソバンも少しずつ姿を消しているという、そんな時だからこそ、若いクラフトマンが作る古くて新しいソバンに未来を感じるのだ。 辻和美
ヤン ビョンヨン 経歴
韓国のキョンミョン大学の工業デザイン科にて準学士を取得後、韓国文化遺産財団が運営する韓国文化の家にて3年間、漆と小盤の制作を学ぶ。2004年に、京畿道の坡州市に工房を設立し現在に至る。2018年には、スペイン、マドリッドの国立装飾美術館にて「The Journey of Time」に出品。2019年にはイタリアミラノサローネにグループ参加するなど国際的に活躍。国内外で個展、グループ展を多数行う。
40th exhibition momogusa haku-origin
2019.07.20
/life - gallery exhibition
2019.08.09 fri.-09.01 sun.
11:00→18:00
music :
MAMAMOO / White Wind
The Beatles / White Album
photo by suzuki shizuka
白–原点
名古屋から移築された100年以上前の民家を展示場にした、その場所は、誰にでも門を開いている感じはなく、「お前は準備ができているのか?」と見る側もちょっと背筋を伸ばして入っていく、そんなイメージだったが・・・実際足を踏み入れるとオムツをした赤ちゃんが畳を自由自在に横切り、こちらに向かってくるし、多くのお客様のあけすけな会話、あと、店主ふたりのてんてこ舞いの様子。雅信さんは、ひとりでも多くの人と話をしようとしてくれていた。私も自分の仕事の話をした時に「同志じゃないか!」とポンっと肩をたたいてくれたことが、いつかこの場とこの人たちとまた、どこかで繋がる予感を残した。 アート、工芸、デザインなどのカテゴリー分けや既存の固定概念に辟易していた私たちの共通点はまさにタテ軸の考えをやめてヨコ軸でモノを考えていくこと。「生活」こそが作り手がもう一度帰る場所、立つべき場所ということだった。同時代に生き、同じようなことを考えている人に、作っている素材や住んでいる場所などを超えて、出会えたことに心から感謝する。 「白」はまさに原点という展覧会かもしれない。雅信さんは、足していろいろな白を作り出していく、明子さんは、どんどん削いで素を白と考える。全く違う二人の白は百草という大きな器のなかでシックリと今日も佇む。辻和美
◯8/10(土)/galleyにて安藤雅信さんによる中国茶会を開催致します。(ご予約制)→詳しくはこちら
百草 経歴
1998年10月、移築した古民家でギャルリ百草開廊。企画と常設展示の他、手仕事のプロダクトである日用品、百草オリジナル製品を展開。また、ギャラリストであると同時に、雅信-陶作家、明子-衣服作家として作家活動もする。美術と工芸の境界を取り払い、使い手・作り手・伝え手の立場から、ハレとケの生活提案をスタッフと共に行っている。
39th exhibition f.z. + kit
2019.06.20
/life - gallery exhibition
2019.7.5fri.-8.4sun.
11:00→18:00
music : plastics/copy
photo by suzuki shizuka
glass ⇄ plastic
京都の御所の近くにKi tという小さな雑貨屋がある。女店主の椹木さんは、古今東西新旧問わず、ご本人のお目にかなうモノに出会うため、いつもアンテナを張り巡らせ、走り回っている。いつもこの店を訪れると帰りには、何か持って帰ることになる。好きなモノが似てるのだ。店の中で目が止まるモノはいろいろあるのだが、古いプラスチックなどは、何故好きか? と聞かれても、ただ好き! という答えしか見つからない。感覚的にグッと来てしまうのだ。そういうことで、一度めの個展は、2017年。そのKi tで行った。もともとはガラスの代用品だったプラスチックをもう一度ガラスに作り戻したくなったのだ。普段から制作しているSTILL LIFE(静物)のスピンオフ展覧会としてスタートしたのだが、自分にとってそれはとても有意義な展覧会だった。プラスチックをガラスで写すって、ちょっとナンセンスなことが楽しすぎたのだ。ただコピーするのではない、いろいろ切ったり貼ったりの試行錯誤が始まる。そこが私にとっての作家としての腕の見せ所でもあり、試練の場でもある。その後そのまま作り続け、工房のスタンダードになった作品もある。今年は金沢で、そして京都で再びと、彼女とそんなふうに自分たちが驚くモノを作っていけたらと思う。バイヤーと作り手が一緒にワクワクできるってあまりあることではない。 彼女は今韓国を散策中だ。「帰ったらまたすぐ変子(私と彼女の隠語)送りますからー」と、ラインが入った。さっ、どんなネタ元を送りつけてくるのかしら?楽しみだ! どこからでも、かかってらっしゃい! 辻和美
◯7/4(木)に、内覧会を開催致します。
辻和美 経歴
1964年生まれ ガラス作家/ショップ・ギャラリーオーナー 1999年金沢に、ガラス工房 factory zoomer を設立。ガラス器の新しいスタンダードを目指し、デザイン・制作を行う。2009年金沢市文化活動賞。2010年~2016年まで生活工芸プロジェクトディレクターを務める。
椹木知佳子 経歴
1977年生まれ 雑貨屋Kit 店主 家庭教師、書店員として働いたのち、2012年より京都の河原町丸太町で開業。古今東西新旧問わず、いま自分が面白いと思うものを追いかけ中。辻 和美
38th exhibition arts & science home collection
2019.04.10
/life - gallery exhibition
2019.5.31fri.-6.30sun.
11:00→18:00
music :A&S store music
photo by suzuki shizuka
見せないお洒落
もう30年も前の話になるが、カリフォルニアはサンフランシスコで美術学校に通っていた私は、美術館と同じようにデパートをウロウロするのも好きだった。その中でも、家庭用品売り場は、見たことのない美しい道具にドキドキし、寝具売り場では、ベッドリネンやタオルの種類の多さに高揚したものだった。その中から何時間もかけて、ラルフローレンのペーズリー柄の枕カバーを買った。でも本当に欲しかったのはその横にあったパイル地のバスローブだった。そうフランス映画なんかで、主人公が、お風呂上がりにサッと着て、なんとなーくそのまま1日を過ごしちゃったりするシーンに憧れた。もちろん、その当時の私には身分不相応で、そのまま今に至っている。 ソニア パークさんがオーナーで、クリエイティブディレクションも務めるARTS & SCIENCEの第1号店が代官山に出来た時、ソニアさんが家の中で使う本当に好きなものを紹介したくてお店をオープンしたと言っていたのを覚えている。パジャマ、タオル、下着など、つまり人に見えない部分に目を向け、より日常を豊かにする提案だ。外に出る時はバッチリ決めているが、家ではジャージにTシャツというのが、いまだ、多くの日本人の姿かもしれない。本当のお洒落って、人に見せるものではなくて、自分自身をワクワクさせるものなんじゃないかなって教えられた。今回、私は、やっと念願のバスローブを買ってみようと思っている。
辻 和美
ARTS&SCIENCE 経歴
ソニア パークがクリエイティブデレクションを務めるセレクトショップ&ブランド。2003年にスタートし現在都内に8店舗、京都に4店舗を運営している。オリジナルの服をはじめ日常品から作家もの、食の分野に至るまで幅広く展開しており、2015年よりホームコレクションを本格的にスタート。肌触りや着心地、使い勝手を追求した、日常をより快適に過ごすためのアイテムを提案している。
www.arts-science.com
37th exhibition toranekobonbon
2019.03.10
/life - gallery exhibition
2019.4.26fri.-5.26sun.
11:00→18:00
music :
YOAV ILAN / stories without words
グッドラックヘイワ/ Lm
toe / Our Latest Number
photo by suzuki shizuka
変わりもんの幸せ
「子供のころは、変わりもんって、言われてました」。まわりの女子たちが、少女漫画の中の主人公がいじめられているのをテレビで見て楽しんでいることに共感できず、野生の王国や動物のドキュメンタリー番組が大好きだった少女時代。すでに生きにくさは感じていたという。それを聞いてうんうんとうなづいてしまった。人となんか違う、合わせよう合わせようと思ってもますます遠くなる自分。私は何者で、何になりたくて、こんなに足掻いているのだろう?と表現を仕事にしている人間は何度もそんなこと考えるんじゃないかな? トラネコボンボンの主宰の中西なちおさんは、料理人でもあり絵描きでもある。どちらも誰かが代わりのきく仕事の仕方をしていない。不器用なんです。とよくおっしゃるが、出来上がりの完成度からは全く想像がつかない。そして、彼女は一生懸命に仕事をする。手を抜かないのではなく抜けないのだ。不器用なのは、生き方かもしれない。彼女にとっての表現はだれかのためなんだろうなって考えたことがある。だれかが喜んでくれる顔、美味しいと言ってくれることが嬉しくて、それがあれば、なんかこれからもやっていけるような気がしてるんじゃないかな?って想像だよ。本音と弱音は簡単には吐いてくれない。だから好き。今回は、サイトヲヒデユキさん装丁の新作絵本「A Book Cat Dictionary」の原画展です。
辻 和美
● 4/26(金)・27(土) /galleryにて ジューススタンド
● 4/29(月) /shopにて コーヒー&サンドウィッチーズ(要予約)※ご予約は終了しました
作家と経歴
中西なちお
1973生まれ 料理人
2007年よりトラネコボンボン主宰。旅するレストランと称し、各地で料理イベントを企画しながら動物の絵を描いている。著書に「世界一周猫の旅」「猫ごよみ365日」など。
サイトヲヒデユキ
1970生まれ 装幀家/グラフィックデザイナー
装幀・造本設計などのグラフィックデザインに携わる。主宰するブック&ギャラリー『書肆サイコロ』では、企画展に合わせ少部数だからこそできる手仕事を加えた本を研究・発表している。 著書に「記シヲ憶フ」「余墨」がある。
36th exhibition girls forever
2019.02.24
/life - gallery exhibition
2019.3.22fri.-4.21sun.
11:00→18:00
music :
Rachael Dadd / Summer/Autumn recordings
gal e caetano veloso / DOMINGO
St. Vincent / MassEducation
photo by suzuki shizuka
girls forever
「オリーブ少女でした!私のバイブルでした!」と白状すると、みんな私を見て、 少し笑みを浮かべ、「えー?」というような顔をする。なんだ、そのリアクション は!こんなオジさんみたいな女にオリーブは似合わないっていうのか?いやいや、 オリーブ読者の半分はおじさんみたいな女の子だったと思うよ。ソバカスいっぱいの顔に長いブロンド髪をゆる〜くおさげにした、どこか異国のモデルさん、緩 めの靴下に布バッグを下げて長いスカート。手にはカフェオーレボール。もう写真に穴があくほど見まくった少女時代。今みたいにSNSなどはもちろんなく、数冊の強いメディアが私たち、ガールズを牽引していってた時代。オリーブに影響を受けない女子はいただろうか?それから雑誌はいろいろ移り変わり、仲間うちの女子のバイブルは、クウネルに取って代わる。そこには外人のモデルはもういなく、ご飯を普通に作ることや掃除のことやら、日々の暮らしのささやかな出来事の中にも胸がキュンとなることがあることを教えてくれた。この2冊は全く違うようで、実は繋がっているように感じるのは私だけだろうか?オリーブが海外への憧れを、クウネルが日本、そして、自分の足元をみつめることを教えてくれた気がする。今は、もっぱらスマホが世界との距離を縮めてくれている。ただ、1ページ1ページ、ドキドキしながらめくったバイブルが今の私たちを作ってくれたことは間違いない。今回は布バッグを作る三人の女子の展覧会です。私も少し参加する予定です。 辻 和美
● 3/23(土)、24(日)は、細井奈緒子さんのガーリーなデザートプレートをご用意致します。要予約。
作家と経歴
岡林尚子
1969年 高知に生まれる。20代半ばから、イギリスへ。高知のboncoinに勤務。松村ひろ子さんとの 二人展にて、初めての展示会を開催。現在はフリーで、カバンを中心に布のものを制作している。
藤田真由美
2003年 bag作家としての活動開始。2004年以降、大阪saji、金沢factory zoomer、奈良くるみの木、 東京R等、各地で年に一回程の展示活動を行う。
山下カオリ
1972年 福岡県に生まれる。2007年 吉井町でかばんと古道具のお店「山下カバン」をオープン。
35th exhibition samulo
2019.01.20
/life - gallery exhibition
2019.2.15fri.-3.17sun.
11:00→18:00
music :Ruth cunningham / Harpmodes
photo by suzuki shizuka
初めてアンクレットを着けた日
最初の出会いは吉祥寺のアウトバウンドさんにて。 左手首に細いブレスレットをジャラジャラさせているのがお気に入りだった当時の私にぴったりで、 つっけんどんな感じも嫌いではなかった。でも何よりも気に入ったのは実は留め金だった。 チェーンタイプのブレスレットには必ず、興ざめする金具がついている。 せっかく綺麗な石を繋げているのに、何で最後だけ既製品の留め金使っちゃうの?って思っていたところに、 このsamuloは、全て中のワイヤーをねじり、石やビーズで留める作りになっている。それからなんとなく気になり、 二度目の出会いは福岡のクランクさんで、短いブラックダイヤだけのネックレスが首にピタッと収まった。 制作者は、熊本に拠点を持つ宮本和昌さん。アート性の高いsamuloと、日常的に使いやすいsemenoという二本立ての考え方で、 活動している。私は断然samulo派。実はこの前、宮本さんの足首に見つけたアンクレットがかっこよくて、 私はブラックダイヤで作ってもらった。50代にして、初めて足首にジュエリーを着けてサボを履いて歩いた。 一日中、足首から意識が離れず、ちょっと背筋が伸びた、いい日になった。大人のジュエリーは誰に見せるためでもない、 自分を勇気づけるために着けると私は思っている。 辻 和美
● 2月15日(金)、16日(土)、17(日)は、宮本さんが在廊されます。石やパーツの説明を詳しく聞きながら、お選びいただけます。
samulo 宮本和昌 経歴
香川県出身。古代の装身具の存在を知ったのをきっかけにアクセサリー制作を始める。20代のほとんどを海外を放浪しながら出土した石やガラスなどの素材を探し集めアクセサリーとして組み上げる生活を送る。2007年 ブランドsamuloをスタート、鹿児島に直営店をオープン。2011年にセカンドラインsemenoをスタート。2015年には熊本店をオープン。