factoryzoomer

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生活のハレに注目したギャラリーです。毎月、国内外のヒトやモノを紹介する展覧会を開催しています。また、奥のスペースでは、スタンダードシリーズのサンプルをご覧いただけます。

特徴を生かしたものづくり

2020.11.27 gallery blog

/galleryでご紹介しております、ニットブランドのANSPINNEN。
11/29(日)までの会期となりました。
たくさんのお客さまにご覧いただいており、使われている素材の質の良さやシンプルな形など気に入って下さり、何回もご来店下さるお客様もいらっしゃいます。
このところ、11月とは思えないような暖かな日が多かったのですが、やはり、朝夕は徐々に本格的に冷え込みがあり、木枯らし吹く寒い季節もいよいよ目前といったところでしょうか。

今回は、カシミヤ以外の獣毛アイテムをご紹介させていただきます。
ヤクやキャメル、ラムズウールなどその特徴を生かして良さを引き出すアイテムづくりができるのは、ANSPINNENの基盤が、それぞれの特徴を熟知している紡績会社だからこそ。

暖かなアイテムが勢揃いした今展覧会で、その手触りや軽さで人気を集めているのが、ヤクの素材です。
ヤクはチベット高原を中心に、標高の高い大変厳しい環境に生息しているウシ科の動物で、硬い表側の毛の内側はややわらかな毛で覆われていて、ご紹介しているアイテムは、その、産毛だけを紡いた糸で編まれています。
太い糸で編まれたローゲージのセーターは、他のカシミヤやウールなどで同様のセーターを作った場合、どうしてもセーター本体が重くなってしまうのですが、ヤクの特徴でもある軽さを生かした素材選びから、こちらのニットはとても軽量に仕上がっています。
また、軽さだけではなく、手触りがとても柔らかくふわふわとして、程よく弾力があって、、とにかく、大変心地よいのです。
店頭でご紹介しているアイテムは、いずれもご試着頂く事ができるのですが、特にこちらのアイテムは、色々とご説明させていただくよりも、お試しいただければその良さを実感していただく事ができるので、ご試着をお勧めしております。

ヤクチャンキー ステンカラーコート


ANSPINNENのラムズーウールのアイテムは、とてもなめらかな手触りでふっくらスポンジのような弾力があります。
店頭では、同じ形でカシミヤとウールを並べてご紹介しているのですが、ほとんどの方が、素材の違いが分からないほどです。
小金毛織で使用しているラムズウールは、生後6ヵ月以内の子羊の毛で産毛を持っているメリノ種の羊のもで、その繊維の細さは通常のラムズウールよりも、6マイクロンも細く、世界のウールの中でも約0.06%ほどしかとれない、大変貴重な素材を使用しています。
ウールは呼吸する繊維であることから、蒸れなども防ぎ快適な着心地を保ってくれます。
冬は案外、屋内と屋外で温度や湿度が変わるので、汗をかいてしまう事も多いので、ウールはぴったりの素材です。


最後に、ベビーソフトキャメルのご紹介です。
キャメルは、モンゴルや中央アジア砂漠地帯に生息するフタコブラクダの毛です。
初めて知ったのですが、ヒトコブラクダの毛は短毛で粗いので繊維としてはほとんど使われていないのだそうです。
フタコブラクダの毛の中でも、最も細いとされる16マイクロン代の産毛を持つ繊維であるベビーキャメルを使用しています。
キャメルは、丈夫で長持ちし、お手入れの際にも縮みにくく、扱いやすい繊維です。
染めを施していないキャメルカラーのアイテムは、一層やわらかくやさしい肌触りです。
ローゲージで編まれたガウンは、普段のお洋服の上に1枚羽織っていただくだけで、落ち着きのあるカジュアルなコーディネートに仕上げてくれます。
カーディガンは、ボタンを全部留めてセーターのように着ていただけるので、着回しがききます。下に薄手のカシミヤを重ねたらとても暖かです。


暖かなニットをご紹介していると、どうしても話題は今年の冬の寒さに。。。
「今年の冬は寒いみたいね」と、お客様が口々に仰るので、ちょっとドキドキしていますが、今のうちに、暖かアイテムのご準備をお勧めします。
たくさんの種類の中からお選びいただけるのも、展覧会期中のみです。
是非、店頭でお試しいただければと思います。
ご来店、お待ちしております。
(n)

香りの記憶

2020.11.21 gallery blog

懐かしい香りは、一瞬にして私たちを“あの日”の“あの場所”へ連れて行ってくれます。

現在、/galleryでご紹介している「LO(ロー)」のキャンドルは、ファウンダーの一人でもある建築家の Tracy Longworth さんの記憶の断片を香りで表現しています。
これまでも、/shop や /online shop などでご紹介してまいりましたが、全9種類の香りが揃うのは初めての事です。
(LO のストーリーはこちらをご覧下さい→)

Tracyさんが香りで表現した記憶の断片を、パッケージデザインとして、コラージュで表現されているのが、クリエイティブディレクターの Alan Aboud さん。
こちらのAlanさんと25年来の友人である、黒田トモコさんが、私たちとLOとを繋いで下さいました。

キャンドルの作り方も伝統的な方法で、機械を一切使わず、ひとつひとつ手作業で蝋を注ぎながら作られています。
フレッシュなキャンドルを送り出す為に、一度にたくさんの量のキャンドルを作る事はされていません。
また、全て追跡可能な、信頼の置ける確かな素材を使って作られています。

factory zoomer で LO のキャンドルを初めてご紹介させていただいたのは、今年の3月でした。
ほどなくして、新型コロナウィルスの感染拡大により緊急事態宣言が発令され、自宅で過ごす時間が増えたそんな時に、LOのキャンドルは、先の見えない不安や、普段と違った生活を余儀なくされ心も身体も緊張している私たちに、リラックスできる時間を作ってくれました。
ひとたびキャンドルに灯を灯したら、そこは、ローズガーデンや、広い海、爽やかに通り抜ける風など、自然の中に身を置いているかのようなゆったりとした気分にさせてくれたLOのキャンドル。
これからやってくる冬は、夜の時間を楽しめる季節です。
本やDVDを楽しんだり、ゆったりとお風呂につかる時などに、お気に入りのキャンドルを灯して楽しんでください。
場所やその日の気分で、香りを変えていただくのもおススメですよ。

9種類の香り全てがお試しいただける、/galleryへ、ぜひこの機会にお越し下さい。
出逢っていただいたお気に入りのLOの香りが、心地よい記憶として、記憶の引出しに仲間入りできたとしたら、とても嬉しいです。
ご来店お待ちしております。
(n)

お互いの良さを引き出す

2020.11.15 gallery blog

広坂の紅葉もそろそろ終盤を迎え、歩道には落ち葉の絨毯が広がっています。朝晩が少しづつ冷え込み、コートやストールなどを手にするようになってきました。そして、冬支度をしに、温かそうなアイテムに引き寄せられ、たくさんの方がANSPINNEN展に足を運んでくださっています。

今日は、ANSPINNENのアイテムの中から、カシミヤとシルクやコットンなど、違った素材同士の組み合わせのアイテムをご紹介したいと思います。
紡績の段階で素材同士を混ぜる事を「混紡」といいますが、ANSPINNENで使用している糸は、そうではなく「撚糸」。
「撚」とは撚る(よる)、撚った糸のことを撚糸(ねんし)と言いますが、基本的にニット糸は2本以上の糸を撚り合わせる、撚糸という工程を踏むのが一般的です。撚糸をしていない1本の糸を単糸、2本撚糸した糸を双糸と呼びます。撚糸することで、膨らみや強度が増し、編み目も綺麗になり、単糸を編むことで、圧倒的な軽さや、独特の風合いを表現できるという特徴があります。
ANSPINNENの違った素材同士、純度100%の糸を撚って作った素材は、それぞれの良さが生かされ、また、着用していくうちに徐々に出てくる風合いの変化も楽しんでいただけます。

スーパーファインカシミヤシルク/ブルゾン
スーパーファインカシミヤシルク/ワンピース

こちらは、カシミアとシルクの撚糸のブルゾンとワンピースです。
シルクという素材は、動物繊維の中で唯一の長繊維で、紡績して糸にするのには不向きです。
短い繊維の再上質な部分だけを集めて、紡績して作られたシルクを絹紡糸(けんぼうし)と言います。絹紡糸は空気を多く含み、軽くてふんわりとした柔らかな風合いで、シルク本来の特徴は失われず、独特の光沢、保湿性、放湿性に優れ、適温保持機能があり、夏は涼しく冬は暖かい特徴があります。紡績糸は、自社素材との撚糸にも馴染みやすく、お互いの良さを引き出すことができます。
スーパーファインカシミアシルク素材は、スーパーファインカシミアの単糸と、絹紡糸を撚糸しました。シルクの持つ光沢や機能などを一切殺すことなく、カシミアの風合いも活かした新たな素材です。カシミアオンリーよりも、肌触りがよりスムースで、シルクの保湿性によりしっとりしています。鹿子織のブルゾンやワンピースは上品な印象を与えてくれます。


ファインカシミヤバルキーコットン/ベスト
ファインカシミヤバルキーコットン/クルーネックケーブルセーター

コットンも紡績をしているANSPINNEN。コットンの軽やかさと伸縮性、カシミアの温かい糸が撚糸されることで、オンリーコットンより柔らかく、軽く、そして暖かく仕上がっています。着用していくうちに徐々に出てくるそれぞれの特徴と、風合いの変化をぜひ楽しんでいただきたいです。

エクストラファインカシミアシルク/Vネックセーター
エクストラファインカシミアシルク/カーディガン
エクストラファインカシミアシルク/ストール

こちらは、先にご紹介したカシミヤシルクのカシミア糸がエクストラファインカシミアとシルクの撚糸になります。エクストラファインカシミアは、スーパーファインカシミアよりも細い番手(糸の細さ)になりますので、より軽やかな印象があり、1年中ご使用いただける素材です。ストールはご旅行や、移動の多い方には一枚カバンに忍ばせておくのもお勧めで、くるくると巻いた状態で持ち運びができますので、とてもコンパクトになります。

それぞれの素材には、各々の特徴があり良さがあります。その良さを熟知して、そして存分に生かして制作されているANSPINNEN。それを手にした方が着用することで、風合いが変化し、より生かされていく。きっといつの間にか手を伸ばしているというのは、肌に馴染んでいる、肌の一部になっている証拠ですね。そんな一枚をぜひ探しにいらしてください。そして、おうちでのお洗濯も楽しんでいただいて、より愛着が持てる一枚にしていただきたいです。ぜひANSPINNENの冬をお過ごしください。
展覧会は11月29日(日)までになります。ご来店をお待ちしております<y>

53rd exhibition tsukuda shingo

2020.11.13 gallery exhibition

2020.12.4 fri.-2021.01.11 mon.
11:00→18:00

music:

alton ellis / legend
carlton & the shoes / love me forever


photo by suzuki shizuka



一人の作家の振り幅


クリスマスムードあふれる12月から、すっかりお正月に変わるこの時期、一年おきに佃さんに展覧会をしてもらっている。今年もクリスマスが終わるやいなやで、洋から和に展示替えをしていく予定だ。一人の作家で、彼のように作風が多岐に渡る人は珍しい。指物、刳物、象嵌、漆などの木工技法を一人でこなしながら、制作物への興味も、西から東、古典から現代へと振り幅がある。それでいて、どの作品も佃眞吾のものになっているからすごい。最近、佃さんが、継続して作っているトレーは、イギリスの銀器から影響を受けて、形ができているという。その後、反復制作の中で、木材を変えたり、漆を施したりと、いろいろ姿を変えて登場を繰り返すが、その都度、全く新しいモノとして現れ、私たちを驚かす。変化していくモノの一方、知り合ったころから変化なく嬉しいのは、黒い漆の日常使いの椀である。これは佃さんの作品でありながら、私にとっても永遠のスタメンでもある。 辻和美


●12/25(金)より展示内容を、漆塗りの作品を中心とした和の装いに変更してご紹介致します。それに合わせ、花人、杉謙太郎さんが季節のお花を生けて下さいます。
※12/24(木)はディスプレイ変更の為16:00閉店とさせて頂きます。



佃 眞吾 経歴
1967年滋賀県長浜市生まれ。1990年京都にて家具職人として働く。1992年職人の傍ら「黒田乾吉木工塾」に通い木漆一貫仕事を学ぶ。1995年京都井口木工所にて家具・指物職人として働く。2004年京都市梅ヶ畑にて独立。2020年現在、同地にて制作。国画会工芸部会員。

育てるニット

2020.11.7 gallery blog

ANSPINNENさんの基盤である小金毛織さんが得意としているのが獣毛です。
獣毛は保温性や保湿性に長けているものが多く、呼吸する繊維でもある為、意外と汗をかいてしまう冬の時期の蒸れも気にならず、快適な着心地が長時間保てるのが特徴です。
風合いの変化や、着心地、糸の太さなど、もともと素材の作り手である小金毛織さんが、動物ごとの繊維の特徴などを熟知していることで、スピネンのアイテムたちは、それぞれの特徴を生かした糸を使用し、ニットに仕立てた時に着心地の良さや風合いの変化などまで、考えて作られているのだと感じました。

ANSPINNENで色々なアイテムで展開しているのが、カシミヤの素材。
小金毛織で使用しているカシミヤは、中国北西部や内蒙古周辺の最も良質な繊細で柔らかな素材を使用しています。カシミヤ山羊は寒暖の差が激しい高冷地に生息しているため、外側は太い毛で覆われているのですが、内側は細く柔らかな毛が密集しており、その産毛のみを集めたもののみを素材として使っています。
カシミヤ特有のなめらかなぬめり感と絹のような光沢があり、「繊維の宝石」と呼ばれるのも納得です。

数あるカシミヤのアイテムの中でも、象徴的なのが、たくさんの色を取り揃えたストール。
今回のDMの写真にも使用させて頂きました。
カラー展開はなんと17色!
こちらのストールは、本社のある千葉県で手動式横編み機(略称:手横-てよこ-)と呼ばれる機械で、1枚1枚熟練の職人さんが手を動かして編んでいらっしゃいます。
家庭用の手編み機などを体験された事のある方ならお分かりいただけると思うのですが、実は、手編みの機械は操作にとても繊細さが必要で、細かな調整が仕上がりに大きく影響してくるものなのです。糸調子などにも細かく配慮しながら、一定のリズミカルな速度で編んでいかないと、編み目が揃わず、綺麗に仕上げる事ができません。
手動式横編み機は、1枚編み上げるのに時間を要します。オートマチックの機械に比べると、当然ながら効率的ではないのですが、この手法で編まれたニットは、より一層、糸のふんわりとした風合いを生かした仕上げができ、だからこそ、デリケートな首もとに巻くストールに用いていらっしゃるのではないかと推測します。

使っていくうちに、サラリとしたつややかな質感から、徐々にふんわりとした風合いに変化していきます。それはまるで糸の膨らみが増すような感じで、編み目も少し詰まっていくような印象です。
最初からこの状態に仕上げる「縮絨」という加工もあるそうですが、少しずつ変化していく過程も楽しんで頂けるよう、加工としての縮絨はしていないそう。
ユーザーがお好みの風合いに育てていく楽しみがあります。

左が昨年ワンシーズン使ったもの、右が新しい状態

ストールの他にも、カシミヤ素材のセーターやカーディガン、ガウン、レッグウォーマーなど充実のラインナップとなっています。

ボタンレスカーディガンは、短めの丈がバランス良く、ロングスカートやワイドパンツなどボリュームのあるボトムスとの相性は抜群です。左右についたポケットが愛らしいアクセントになっています。薄手の編み地なので、長いシーズン活躍してくれそうなのも嬉しいですよね。

ニット素材ではちょっと珍しいフーディーやパンツは、使われているコードもニットで作られており、さりげないポイントが洋服好きさんの心をくすぐります。

糸の太さ違いで2種類あるガウン。暖かさはもちろん、ボタンをつけない事で軽やかなデザインになっています。付属のニットベルトでホールドしたり、キルトピンなどで好きな位置で留めたりと、アレンジが楽しめます。

大事に愛情を持って使って頂いたら、長く長く使えるカシミヤのニット。
その、素材の良さを実感して、シーズン毎に、1枚、また1枚と買い足していくと、仰って下さっているお客様もいらっしゃいました。
ぜひ/galleryでお気に入りの1枚を見つけて下さい。
ご来店お待ちしております。
(n)

技術と経験が編み込まれたニット

2020.10.31 gallery blog

ANSPINEN(スピネン)とは、ドイツ語で紡ぐ・繋ぐという意味の「SPINNEN」に前置詞「AN」を繋げた名前で、これは、紡績会社を基盤としている事と、一部ドイツ由来の機械を使用している事から名付けられたそう。

60年以上続く、小金毛織株式会社のファクトリーブランドとして、2019年にデビューしたANSPINNEN。
プロフィールにもあるように、小金毛織は、国内で3社しか無い、カシミヤを原料の綿から糸に紡ぐ事のできる紡績会社のひとつです。
糸を紡ぐ「紡績」から糸を撚る「撚糸」まで、自社で一貫して行っているのは、日本で唯一なのだそう。
「紡績」とは、手紬(てつむぎ)を工業化した伝統的手法による糸づくりの事で、この手紬の手法で作られたカシミヤの糸は、ふんわりと柔らかです。その技術や知識を投影させて作られた素材を使用して、大井幸衣さんのディレクションで展開されているのがANSPINNENのアイテムなのです。

小金毛織さんは、原毛のわたの状態で染色をし、それを複数の色を混ぜて糸を作っていらっしゃいます。
その事により、素材へのダメージが少なくなり、本来の風合いを引き出す事ができるのだそう。
例えば、色の糸を作る他の方法で、糸の状態から染色する場合もあります。その場合、糸の芯の部分までしっかり染まるようにするには、高い温度で染める必要があり、その分ダメージも大きく、風合いも変わってきてしまうのだそうです。
また、単色に見える色も複数の色を組み合わせる事で深みのある色が作られています。
それを聞いて、じーーっくりと近づいてニットを見て見ると、確かに、教えて頂いた通り、一見落ち着いたブルーに見えるニットも、所々少し暖色の色が見えてきます。

カシミヤとシルク、ウールとリネンなど、違った素材同士の組み合わせもANSPINNENのアイテムには多く使われています。
紡績の段階で素材同士を混ぜる事を「混紡」といいますが、ANSPINNENで使用している糸は、そうではなく「撚糸」。
違った素材同士、純度100%の糸を撚って作った素材なので、それぞれの良さが生かされ、着用していくうちに徐々に出てくる風合いの変化も、それぞれの特徴が出て来るそうなので、その部分も楽しんでいただけます。

たくさんの技術や、色々な方の経験や知識の数々が集結しているANSPINNEN。
その、いわば毛糸のプロ達が作るニット。
ぜひ、/galleryで、その手触りの良さ、着心地の良さ、心地よい素材で作られたものに包まれている至福感を感じていただければと思います。

技術を繋ぎ、作り手とお客様を繋ぐ、そんなメイドインジャパンのANSPINNENのアイテムたちを、次回から少しずつご紹介してまいります。
(n)

本日よりスピネン展です

2020.10.23 gallery blog

日増しに肌寒い日が増え、いよいよ冬の始まりを感じる金沢です。
本日より広坂の/galleryでは、ニットブランド「ANSPINNEN(スピネン)」の展覧会がスタートします。

日本国内では珍しい、紡績から撚糸までを一貫で行う紡毛紡績メーカーの小金毛織株式会社が、2019年デビューのファクトリーブランドで、/shopでは以前からご紹介しており、その着心地の良さはご存知の方も多いはず。

カシミヤを中心に様々な素材の糸を使ったセーターやガウンなどのウェアや、お馴染みの方も多いストールなど、店内には温かなアイテムが揃いました。

また、今回はイギリスのヴィーガンキャンドル「LO(ロー)」も併せてご紹介させて戴いております。
全9種類のフレグランスのフルラインナップに加え、初日の本日と明日は、日本に届いたばかりのクリスマスシーズンの到来を感じさせる<winter’s glow>の香りもお試しいただけます。

皆様のお越しをお待ちしております。

頼もしく、懐の深い器

2020.10.16 gallery blog

/galleryで開催中の三谷龍二展も今週末10月18日までの開催となりました。

国内だけにとどまらず、アジアを中心に海外にもファンの多い三谷龍二さんの作品。
国や文化を越えて人々を惹き付けるその理由は何なのでしょうか。

三谷さんの大きく頼もしい手から生み出される作品の数々は、穏やかで、暖かく、包容力があり繊細。モダンで清潔感があり、まるで、三谷さんご本人そのもののような印象です。

私が初めて三谷龍二さんの作品に出逢ったのは、スマートフォンの画面の向こう。どなたかの食卓で使われている器やカトラリーでした。使われている環境によって少しずつ変化していく作品たち。SNSの普及で、どんな風に作品たちが使われているのかを実際に見られる時代になり、どのお宅でも、三谷さんの作品が愛されている事が感じ取れ、使っている方々の笑顔も見えてくるようで、画面の向こうに静かに佇む作品にとても興味が惹かれた記憶があります。

今展覧会では、テーブルウェアは漆器の作品を中心にご紹介しています。
三谷さんの作られる漆器は色だけでなく質感も含め特徴的だと思います。草木染めを施した木材と黒漆や生漆、白漆の組み合わせで様々な景色を見せてくれます。

草木染めをで黒く染め拭き漆を施した上に白漆を重ねたHAKUBOKUは、白漆の濃淡の違いで1点ごとに表情が大きく変わってきます。
少しだけ残した中央の黒い部分。その上に薄く重ねた白漆の刷毛目。まるで絵を描くように、器に向き合ったその時の直感で即興的に施されているような、そんな風に想像出来ます。
日々使っていくうちに、少しずつ重ねた漆が薄くなっていく事で、下の黒い部分が徐々に見えてきたり、経年で白漆の色も明るく変化するなど、オイル仕上げの作品の変化とはまた違った、共に時間を重ねていく楽しみがあります。



USUZUMIの器は、草木染めと拭き漆を施した上に、ごく薄く白漆を重ねる事により、1点1点の木目がよりはっきりと見えてきます。特に、欅の小皿は中央にデザインとして入っている溝の規則的な曲線と、木目の持つランダムな線がお互いを引き立て合い、少し不安定なアンバランスさが何とも言えず魅力的です。


日々の暮らしの中で、優しくさりげなく食卓を彩る。
頼もしく、懐の深い、他では代替えがきかないような三谷さんの器たち。
作り手の人柄をも感じられるようなそんなところが、器好きな方たちの心をつかんで離さないのだと思います。


会期も残り僅かとなりましたが、完売している作品も展示用にお貸しいただいておりますので、ぜひ、この機会に三谷さんの作品のつくりだす穏やかで柔らかな空間をお楽しみいただけたらと思います。
ご来店、お待ち申し上げております。
(n)

※ブログ掲載の作品は既に完売している作品もございます。ご了承下さい。

余白、眼差し、息づかい

2020.10.11 gallery blog

まだ暑さが残る9月中旬から始まった三谷龍二さんの展覧会も、残すところあと1週間となりました。広坂周辺の街路樹は次々に色づき始め、行き交う人々の落ち葉を踏む音が秋を感じさせてくれます。

必ず、とは言えませんが、作品とは、ひとつよりも群となった時に、その方の伝えたいことが強さを増し、見ている人に伝わりやすくなるように思います。今展覧会の三谷さんの作品もギャラリー空間の中に、絵とオブジェと器が一緒にあることで、それらが融合した三谷さんの世界観を感じていただけると思います。
今日は、三谷さんのそれぞれの作品から共通する何かについてお話したいと思います。

白漆のボウルには大好物のシャインマスカットをのせようかな、など使う方の想像をかき立て、盛りつけた時に完成される器からは、使うという「余白」を感じさせてくれます。お料理をする側、食べる側も毎日の食卓の中で、とてもウキウキと充足感を得ることができるのが器です。

オブジェからは「眼差し」を感じます。空間の中に佇むオブジェは、壁に映る影をも一緒な空気を纏い、季節や、天候、その時間の光によって様々な表情を見せてくれます。昨日は見えなかったものが、今日は鮮明に見えたり、また見えなくなったことで感じたりすることができます。

そして絵画からは、三谷さんの息づかいを感じることができます。三谷さんの中から出てくる動物的なものは、1枚よりも何枚もあることで、より想像が膨らみこちらに伝わってきます。「息づかい」とは実は三谷さんがお話してくださった言葉で、とても素敵だなぁと思い使わせていただきました。


触れたくなるようなそれぞれが持つテクスチャー(質感)に惹き込まれ、その世界観に誘われます。
ざらざら?ゴツゴツ?粉っぽい?オブジェの持つ物質的なテクスチャーに思わず手を伸ばしたくなります。筆やナイフで引っ掻いてできる質感、拭き取った時に下の層から出てくる色や表情は絵画の持つテクスチャーで、とても繊細です。三谷さんの作品は、カラフルな色彩ではありませんが、それらが幾重にもなった時に織りなすテクスチャーにより、色味の幅や奥行きを感じ、見る者を絵の中の世界へと連れていってくれます。様々な視点や、感覚は、それぞれの木が持つ木目が、ドローイングの線のように見えてきたりと、器もオブジェや絵画のように見えてきます。そうです、いつの間にかオブジェ、絵画、器が、それぞれに行き来しているのです。
三谷龍二展は10月18日(日)まで開催しております。もの思いにふける秋もよし。三谷龍二の世界観に誘われてみませんか?<y>

オブジェ PAWPAW
絵画 スケート人形の部分
絵画 ラジオ体操部分
絵画 山の雪かき


52nd exhibition anspinnen

2020.10.8 gallery exhibition

2020.23. fri.-11.29 sun.
11:00→18:00

music:
joey alexander / eclipse
joey alexander / my favorite things
joey alexander / blackbird



Photo by suzuki shizuka




ANSPINNEN=紡ぐ・繋ぐ


一度カシミアのセーターを着始めると、もう元には戻れない。暖かくて、軽くて、チクチクしないので私は毎冬、皮膚のように着ている。なんだか高くてちょっと手が出ないわ、というイメージのカシミアだが、今回紹介するANSPINNEN(スピネン)は、原料の輸入から紡績、撚糸という糸作り、さらに、セーターやストールなどの製品を作り、そして販売までと、一貫してひとつの会社で行い、私たちに届けてくれる。なので、安心の担保はもちろんのこと、価格も頑張って抑えてくれている。私のような個人作家は、アイディアからはじまり、最後仕上がるまで、決して作品から目を離さず、一個一個愛情持って世に送り出す。それにちょっと近いのかな?って思う。なんでもかんでも中国に送り、低コストで大量に生産していく企業と時代と買い手にちょっと疑問符を打つ。そんなこと続けていたら、日本から正しいモノ作りがいなくなってしまわないか?
ANSPINNEN(スピネン)はドイツ語で「紡ぐ、繋ぐ」という意味。まさにmade in Japan の技術と精神をこれから未来に、ちゃんと紡ぎ、ちゃんと繋いでいくファクトリーブランドに心からのエールを送りたい。 辻和美

●会期中、建築家の Tracy Longworth とクリエイティブディレクターの Alan Aboud が手がける、イギリス ノッティンガムで生まれたヴィーガンフレグランスキャンドル「LO(ロー)」全9種類を、フルラインナップでご紹介致します。



ANSPINNEN 経歴

ANSPINNEN(スピネン)は2019年デビューの日本で唯一、紡績から撚糸までを一貫で行う紡毛紡績メーカーの小金毛織株式会社が、大井幸衣氏をディレクターにむかえ立ち上げたファクトリーブランド。国内でカシミヤを紡績出来るわずか3社のうちの1社。原料からこだわるものづくりをテーマに、自社で作成した最高品質の糸を、日本が誇る繊細で細やかな技術力を活かした製品を提供。同時に日本の技術を継承することを目指す。

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