factoryzoomer

/life

生活のハレに注目したギャラリーです。毎月、国内外のヒトやモノを紹介する展覧会を開催しています。また、奥のスペースでは、スタンダードシリーズのサンプルをご覧いただけます。

60th exhibition factory zoomer – sunny and cloudy –

2021.07.29 /life - gallery exhibition

2021.08.13 fri.- 09.12 sun.
12:00→18:00

music:
clap your hands say yeah / sunshine and clouds(and everything proud)

photo by suzuki shizuka



Sunshine & Cloudy


「Life has its sunshine and its rain, its days and its nights its peaks and its valleys.――人生には晴れもあれば雨もある。昼もあれば夜もある、山もあれば谷もある」
これは、幼い頃、ベッドの中でかぶりついて読んだスヌーピーの漫画からの言葉である。つまり生きていれば楽しい日も辛い日もあるもんだ。という意味なのだが、そんなことは何度となく聞かされてきて、わかっているのだが、今年は、こんなシンプルな言葉が幾度となく浮かんでくる。
長雨の後の太陽の光はどんなに眩しいのかと、庭の植物たちを眺めて思う。伸び放題の蔓、また背が高くなっている紫陽花、今年も一輪しか咲かなかった泰山木。この2年ですっかり変わってしまった人間社会に対して、どこ吹く風としっかりと根をおろすものたち。今必要なのはそんなことかもしれない。天気のこと、庭の植物のこと、動物たちのことなど、私が日々の暮らしから感じる、とても個人的な思いをグラスの上に綴っている。それが、ひとりでも多くの方と共感できるようなら、そんな幸せなことはない。
今日も晴れのち曇りで少し雨。
辻和美




●展覧会期を「sunny」「cloudy」に分けて開催いたします。通期でご紹介する作品の他、それぞれの会期テーマに合わせた作品もご覧いただけます。
sunny:8/13(金)– 26(木)、cloudy:8/27(金)– 9/12(日) 
8/13(金)・14(土)・15(日)、8/27(金)・28(土)・29(日)の日程につきましては、事前ご予約のお客さまのみのご入店とさせていただきます。
※ご来店予約については、ホームページ・インスタグラムにて告知をさせていただきました。受付は終了しております。ご了承下さい



辻和美 経歴

1999年金沢に、ガラス工房factory zoomerを設立。ガラス器の新しいスタンダードを目指し、デザイン・制作を行う。その後直営店factory zoomer / shopをオープン。2009年金沢市文化活動賞。2010年〜2016年まで生活工芸プロジェクトディレクターを務める。2016年factory zoomer / galleryをオープン。

個性のある線

2021.07.15 gallery blog

短い梅雨も明け、北陸地方にも本格的な夏がやってきました。
/galleryに展示された松林誠さんの作品には、明るい太陽の日差しがよく似合います。

factory zoomer /galleryでは2度目となる展覧会。
今回、打ち合わせの為に松林さんのアトリエにお邪魔した辻が惹きつけられたもの。それは「ハッチング」を用いた作品でした。絵を描かれたり、図面を引く方には馴染みのある言葉ですが、それ以外の方にはあまり耳なれない言葉ですよね。
辞書を引いてみると…

ハッチング(hatching)ー 元々、“細かい平行線を引く”という意味の英語。
1.絵画、版画などにおける線影。
2.ある指定された範囲を斜線や特定の模様で埋めること。またはその機能。製図の分野で利用される。網掛け。

と、あります。
それを踏まえて松林さんの作品を拝見すると、なるほど、たくさんのハッチングが見えてきます。


額装されたハッチング作品。白くペイントした紙の上に描かれています。
水色のハッチング。スイスイっとキャンバスの上を走る線が心地よい作品です
今回、唯一の版画作品のとなる、ハッチングガール


松林さんの作品の中に見えるハッチングの線1本ずつに注目してみると、ちょっと太いもの、細いもの、少し自信なさげにゆらゆらとしていたり、意志の強そうなビシッとした線、時には自由に動き、線の途中から文字になったりと、実に個性豊かです。
とても賑やかなこの線たちを集合させたハッチングの作品は、少し離れて作品全体をみると、クローズアップして見ていた時とはまた別の表情が見えてきます。それは、どこかクールでちょっとドライな印象。
絵画の作品は、見る人によって印象や感想などがそれぞれ違ってきます。
そんなところも松林さんは面白がっていらっしゃるのではないかなと思いました。

ぜひ、店頭にて、近づいてみたり距離をとってみたりと、鑑賞していただけたら嬉しいです。

ギャラリーがまるでハッチングの作品になってしまったような、ウィンドウのドローイングもぜひ併せてご覧ください。



また、犀川沿いの/shopでは、松林さんがアートワークを手がける高知の7デイズホテルさんから、松林さんの作品をプリントしたお菓子缶「Room Voi」や、高知の美味しいものなどもご紹介中です。

ギャラリー、ショップにて、皆様のお越しをお待ちしております。
(n)

59th exhibition
松林誠展
2021.07.09 fri. – 08.09 mon.
12:00 – 18:00

松林誠展スタートいたしました。

2021.07.10 gallery blog

梅雨らしいお天気が続いて、/gallery前の紫陽花は嬉しそうに生き生きとして見えます。

7月9日(金)から/galleryでは、3年ぶりのご紹介となる高知の松林誠さんの展覧会がスタートいたしました。初日には展覧会を心待ちにしてくださっていたお客様が多数ご来店くださり、みなさま松林さんにもご相談しながら作品をお選びくださいました。

今回のテーマは「ハッチング」。
ハッチングとはたくさんの平行線を書き込む描き方のことで、松林さんの版画作品などでは塗りつぶしたりする箇所にも用いてこられた技法だそうで、展示中の作品の多くに様々なハッチングが用いられています。

/galleryのガラス面には松林さんがドローイングされた、大きなハッチングが登場いたしました。

ぜひ、この勢いのある線の迫力を間近にご覧ください。
ご来店お待ちしております。
(n)



59th exhibition matsubayashi makoto

2021.06.27 /life - gallery exhibition

2021.7.9 fri.- 08.9 mon.
12:00→18:00

music:
zappa/mothers / meat light


photo by suzuki shizuka



ハッチング


画家は同じ形や線を自分の制作の中で何度も登場させる場合がある。松林さんの作品にもお花、果物、家など、彼の日常を表すシンボルのようなモチーフが繰り返し使われる。その中で、私が気になっているのは、線と線の交わりで生まれてくる地図のような部分だ。どうやら、この表現には名前があるらしく、「ハッチング」だよ。と教えてくれた。幼いころは漫画、学生時代に版画に出会う。エッチングで黒さを作るために、平行な線を交差させて描くハッチングは、このころから始まり、いまでは、松林絵画の重要な表現の一つになってきている。「可愛い!」と言われがちな彼の絵の、どこかに隠した現実や、ひょっとしたら闇の部分を、この縦と横の線を何度も何度も描く行為から感じるのは、ちょっと突飛だろうか?人の暮らしにおいて、光の部分があれば、必ず影もある。その影や闇によって支えられている、真ん中の部分(主体)。そんなことを考えると脇役であるハッチングから目が離せなくなった。                辻和美


●展覧会に合わせ、犀川沿いの /shopにて高知 7days hotel のお菓子缶 Room Voi を販売いたします。



松林誠 経歴

1962年 高知県高知市生まれ
1986年 創形美術学校研究科版画課程修了
2000年 パリ国際芸術会館に一年間滞在し活動
2003年 セブンデイズホテルプラスのアートワーク

doi展開催中です

2021.06.18 gallery blog

6月5日より広坂の/galleryでご紹介している、doi展。
初日とその翌日は、整理券をお配りさせていただきました。
せっかくお越しいただいたのに、ご入店いただけなかったお客様もいらしゃり、大変申し訳ありませんでした。

ちょうど2週間が経過し、毎日たくさんのお客様にお越しいただいております。
着るほどに身体に馴染むdoiの着心地の良さは、制服として日々着用している私たちズーマスタッフがその良さを実感しているので、ついついご紹介に熱が入ってしまいます。
でも、どのデザインも見ているだけではそのよさは伝えきれないので、ご試着いただくのが一番。店頭でも積極的にご試着いただいております。
働く衣、という意味でもあるdoiは、何かの上にさっと羽織って来ていただくことができるので、ご試着も気軽にしていただくことができます。

今回、店頭でご紹介していて、感じることは、ほとんどのデザインが様々な体型の方に似合うこと。
そして、体型をカバーしてくれ、腰が高くスラリと見せてくれるデザイン。
さっとdoiのエプロンを羽織るだけで、まるで魔法にかけられたように、ちょっと特別な自分になります。
ご試着してくださるお客様もそれを感じてくださっているようで、皆さんとても良い笑顔を見せてくださいます。
丈が長いデザインも、そんな特別な気分を演出してくれる要素の一つかと思います。長い裾を翻しながら、街を颯爽を歩いてみる。実はとても気分が良いもので、ぜひ皆さまにも味わっていただきたいと思います。


この機会にぜひ店頭にて、doiデザイナー川上直子さんの魔法にかけられてみませんか。vriskoさんのヨーロッパ古着、カテリーナ古楽器研究所さんのリュート音楽が更に異世界へ誘ってくれます。



皆様のお越しをお待ち申し上げております。

(n)

58th exhibition
doi
2021.06.5.-07.04
12:00 → 18:00

意識して無意識に崩す

2021.05.27 gallery blog

/gallery、/shop 両店舗で開催中のキムホノ展。
いよいよ今週末、5月30日(日)までの開催となりました。

キムさんの作品はよく「生き物のよう」と、例えられることがあります。
それは、作品のもつ柔らかな歪みやアンバランスな形から、今にも動き出しそうに見えてきます。

20代で焼物の道へ進み、以来40年以上作品を作り続けていらっしゃるキムさんにとって、均整の取れた美しい形のお茶碗や鉢などを作ることは難しいことではないのではないでしょうか。キムさんは以前「気を抜いてしまうと整った形になってしまう」と仰っていたことがあります。
技術の備わったキムさんは、面白いことに、意識していないと手が自然に綺麗な形に作ってしまうのだというのです。
では、この生き物のような作品たちは、どうやって作られて来たのでしょう。
それは、制作の工程の中にわざと “崩れる過程” を作るように意識し、意図的に狙った形で崩すのではなく「意識」して「無意識」に崩れるという工程を作っておらるのだそうです。

例えば、こちらの四角い鉢はろくろで制作されています。
ろくろで作ることが出来るのは丸い形。
それを、丸から一番遠いところ、つまり四角に作り替えることで、自然な歪みが生じ、中央に残ったろくろの丸いうずの手の跡と四角い形が印象的な作品が生まれるのです。

キムさんは、子供の作ったものに魅力を感じるとおっしゃいます。
歪んだり不恰好だったりするそれらは、技量の少ない子供には、精一杯キッチリ作った作品。それらの作品には、作為的な手の跡はありません。
その、あざとさのない崩れが、アーティストであるキムさんの目指しているひとつなのかもしれない。と、思い、そして、歪んだ形を形成することは、綺麗な形を作ることよりもはるかに難しい事なのではないか。とも思いました。


会期がわずかとなりましたが、ぜひ、この生き物のような作品たちをじっくりご覧いただければと思います。
感染対策に注意しながら、お待ちしております。

/online shop でのご紹介作品も、クローズアップしたお写真をご用意しておりますので、ぜひ覗いてみてください。

また、ブログやインスタグラム掲載の作品についても、気になる作品がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。ご説明の後、通信販売に対応させていただきます。
(n)



57th exhibition
kim hono
2021.04.29.-05.30
12:00 → 18:00

キム・ホノさんの器で中国茶

2021.05.23 gallery blog

広坂の/gallery、犀川沿いの/shopで開催中のkim honoさんの展覧会も、残すところあと1週間となりました。先週末は、/shopの2階で、ズーマでは定期的に行われている月乃音中国茶稽古が、今回はキム・ホノさんの器を使って、開催されました。今日はその様子と、今展で扱いのあるshopの作品を少しご紹介したいと思います。
今回のお稽古は「岩茶」。岩茶の産地は武夷山と言う、中国・福建省北部に、沢山の峰や岩がにょきにょき連なる山々があり、その岩間をぬうように美しい九曲渓が流れているところです。1999年に世界自然文化遺産に認定されました。そして武夷山の岩山とは、その昔に海底から隆起して出来た岩山で、奇峰奇岩に深く根を張り、太古の岩のミネラル(微量元素)と水、霧、風、太陽の光と様々な動植物と共生し成育する茶樹の葉でつくるウーロン茶、それが岩茶です。

一口に武夷岩茶と言っても、武夷山で採られている「正岩茶」と、武夷山を流れる九曲渓の下流の武夷山の裾野で採られている「半岩茶」、武夷岩茶の血筋を引いている「洲岩茶」といった3つの区分に分かれています。 半岩茶や、洲岩茶は、正岩茶より味や質が格段に落ちるものですが、武夷岩茶として販売されているのが実状です。なぜなら、正岩茶は、年に一度、一週間のみ作られるとても貴重な茶葉なので、とても少量で、世の中にたくさん出回らないからです。今回はその貴重な正岩茶の中から、老叢水仙と、白鶏冠の2種のお茶をいただきました。

正岩茶(老叢水仙/白鶏冠)

キムさんの器と正岩茶の生命力や、力強さは、相乗効果で、キムさんのごつんとした作品と岩茶の高いエネルギーの余韻を長引かせてくれました。
今まで、器とは、盛る物、食べ物を引き立てる役割をするモノ、中に何かが入って成立する余白のあるものだと思っていましたが、その概念は覆えされました。どちらかが引き立て合うという感覚ではなく、プラスとプラスの相乗効果で、岩茶と、キム・ホノのエネルギーをいただく、という感覚です。今までは、その器でいただく、ことはあっても、「その器をいただく」=エネルギーを体の中に入れる感覚は初めて味わうもので、今もあの時の余韻が体を駆け巡っているようです。

使いやすい器は、毎日の生活の中に、なくてはならない存在で、いつも手にとってしまう使いやすい器というのは必需品です。
だた、キムさんの器は、使いやすい器、という概念からは少し離れてしまうかもしれませんが、生活において、なくてはならない存在で、モノのもつエネルギーを存分に楽しんでいただける作品です。

今回、キムさんのごつんとした作品にどんな中国茶をいただけるのか、どんな世界になるのかとても楽しみでした。茶人である渡邊乃月先生のしつらえ、キムホノの器で中国茶を味わう、正岩茶の高いエネルギーを知っているからこそ、のしつらえと、存分に双方を堪能できたことが大きな喜びです。
6月も中国茶稽古の開催を予定しており、武夷山で採れた紅茶の学びを深めます。ぜひ中国茶のお稽古にご参加されませんか。

上段:茶杯
筒状の茶杯は香りが籠り、残り香を楽しむことができる
下段:取手付き器、湯呑み
取手付き器/羽付き器/花形器
上段:花器?(落としを入れて花器に)
下段:オブジェ


現在、factory zoomer /online shop では、キムホノ展のオンライン展覧会を開催中です。このような状況下でご来店が難しいお客様にもお楽しみいただけたら嬉しいです。ブログやインスタグラム掲載の作品についても、気になる作品がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください<y>
info@factory-zoomer.com

57th exhibition
kim hono
2021.04.29.-05.30
12:00 → 18:00




織部は自由

2021.05.21 gallery blog

4月29日からスタートした、キムホノさんの展覧会。
/gallery、/shop、/online shop にて、器であると同時に、作品そのものを鑑賞して楽しむことができる作品をご紹介させていただいております。

今回の展覧会のキーワードである「織部」
2年前の展覧会開催時に、キムさんと織部焼のご縁についてブログでもご紹介しています。→ こちら
20代のキムさんが、焼き物の道に進もうと決心したきっかけでもある織部。
織部というものには、独特のあの緑色だけではなく、姿形にも特徴があるのだということをご存知でしょうか。

2年前のブログでもご紹介していますが、織部焼とは、
【織部焼の造形、意匠上の特色は、形の概念を徹底的に打ち破った自在な「形姿」と、描き込まれる文様やその構成が固定の概念に全く拘束されないという破天荒な「意匠性」の2要素から成り立っている】
とあります。
「概念を徹底的に打ち破った」や「概念に全く拘束されない」など、織部焼とは、ある意味タブーがない、至極自由な焼き物なのだという印象を受けました。
自由な焼き物。まさに、今回の作品たちもそうだと思いませんか。
周りに大きな飾りがせり出した鉢。全体に穴が空いているボウルなど、これまで見た事のない形の作品たち。
器とオブジェの間を自由に行ったり来たりしながら、今回の作品たちが生まれていったのだと想像します。


以前、キムさんが「僕の作る作品は、織部釉を使っていなくても、全てが織部だと思っている」と、お話ししてくださった事があり、とても印象に残っていました。織部に自由を感じたキムさんが作られる焼き物は、全て織部の精神が宿っていて、それは、キムさんのおっしゃる通り、紛れもなくどの作品も織部焼であるのだ。と、今回の作品たちを手に取った時、以前のキムさんの言葉が体に染み込んだような感じがしました。


ちょっと個性的だけど、実際に使ってみるとどんなものでも受け入れてくれるキムさんの作品たち。
ぜひ、この機会にキムホノ作品と暮らす楽しさを味わってみませんか。


現在、factory zoomer /online shop では、キムホノ展のオンライン展覧会を開催中です。このような状況下でご来店が難しいお客様にもお楽しみいただけたら嬉しいです。
ブログやインスタグラム掲載の作品についても、気になる作品がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
info@factory-zoomer.com
(n)

57th exhibition
kim hono
2021.04.29.-05.30
12:00 → 18:00

飾れる器

2021.05.12 /life

道ゆく人の服装も軽やかになってきて季節の移ろいを感じます。

現在広坂の/galleryではキムホノさんの展覧会が始まって2週間が過ぎました。

ギャラリーにズラっと並んでいる作品たちは、これでもか!というほど穴が空いていて、その圧倒的な存在感に目を奪われてしまいます。

この穴をキムさんが、ひとつずつ開けていったことを想像すると途方もない仕事量です。

様々な形と大きさの穴は、キムさんご自身が銅板を曲げて穴を開ける道具を作られたそうで、三角形や台形や長方形などなど、それぞれの型を作ったのだとか。型で土を抜くときも、両側から型を押しているそうで、その後に穴の縁をなめして整えていらっしゃいます。

大変な工程を繰り返しながら出来上がった作品ですが、しかし見る側からすると、とても軽やかで、お客様にこの作業を説明すると驚かれる方が多いです。

壁に掛けられている作品は、今回の展示に向けて制作された中でも最初の方に出てきたものだそうで、器として使うこと、オブジェとしてのイメージ、どちらも意識して作ってらっしゃいます。

器として、、、?と最初に思っていた私ですが、穴が空いているので天ぷらを置いたり蕎麦を置いたらどう?というお話を聞き、なんて自由なんだろう!自分だったら何を乗せよう?と考えるのが楽しくなりました。

絶妙な色むらがある作品は、紙に顔料を乗せて転写する技法を使っており直接色をつけるのとは違う自然な感じを出すために工夫をされてらっしゃいます。


たくさん並んでいるこちらの作品は足になっている部分が番線を通せるようになっていてご自宅のお好きなところに壁掛けとして飾っていただけます。

木版画のような絵柄の部分は、土が生乾きの時に陶器用の顔料を白、水色、黒の順番に重ねてから彫ることで描いていらっしゃっています。

また織部釉の緑の部分はを筆を使ってのせることで濃淡を出していて、ツヤっとした表情と、土のざらっとした質感のコントラストがとても素敵です。



一見オブジェのイメージが強い作品ですが器として使うこともでき、どうやって使おう?どこに飾ろう?という想像が膨らみ、ギャラリーにいらっしゃったお客様とお話が盛り上がることも。

様々な使い方や飾り方の可能性が広がる作品を前にひとりでじっくり考えるのも楽しいですし、誰かとお話をしながらワクワクを共有するのもまた良いものです。

オブジェとして飾ったり、器として使ったり、いったりきたりを繰り返していくうちにより一層作品の面白さや魅力を発見できる、味わい深い作品ばかりです。これは、キムさんがご自身の作品作りの中で湧き出てくるイメージを、自由な発想で、とことんまで表現方法を追求していらっしゃるからこそだと思います。

ぜひ、この機会に表情豊かな作品たちをご覧ください。
気になる作品がございましたら、お気軽に  info@factory-zoomer.com までお問い合わせください。

(m)

58th exhibition dōi

2021.05.9 /life - gallery exhibition

2021.6.5 sun.- 07.4 sun.
12:00→18:00

music:
toyohiko satoh / viennese lute music
toyohiko satoh, toru sakurada, miki satoh / music from the netherlands
catherina emiw / 中世巡礼物語


photo by suzuki shizuka



ミューズの制服


「制服欲しいな」それが、私がこのギャラリーをオープンさせる時に、すぐに思ったことである。これからいろいろな方の作品をここで紹介させていただく時に、私たちスタッフ側が、“色”であってはいけない。作品から一歩引いて、引き立て役に回る“モノトーン”でありたいと考えた。かといって、風景の一部であるスタッフには、美しくいて欲しい。など、欲張りな私の願いを叶えてくれたのは、川上直子さんが主宰するDōiである。働く衣と書く“働衣”からDōiという名前になった。着ていくほどに、働く人の身体に馴染み、一部のようになっていく。
「制作の依頼を受けたギャラリーやショップに、ミューズ(女神)のような方がいないと仕事は受けない」。と、嬉しいことを言ってくれた。ちょっと笑っちゃったけど、象徴みたいなもんかな?イメージモデルさんってことだよね。依頼してから何度も電話で話し、意見を交換し、うちのギャラリーの制服はできた。大満足の出来である。その後、Dōiさんに制服を依頼するギャラリーが増え、形も増えていったようだ。
今回の展覧会は、Dōiさんが手掛けた、全国のミューズたちの制服がズラリとギャラリーに並ぶ。なんとズーマにはピンク色を作ってくださった!いろいろなお店の制服を購入できるってこんな機会はあまりないよ!ぜひごらんください。辻和美


●会期中、Dōi 川上直子さんが東京 vrisko さんにてセレクトされたヨーロッパ古着、カテリーナ古楽器研究所の松本未来さんセレクトのCDも併せてご紹介致します。
●展覧会にさきがけ、6月4日(金) /gallery にて、chanowa 出野尚子さんによる茶会「花花緑緑 huāhuālǜlǜ」を開催いたします。※ご予約の受付は終了させていただきました。



川上直子 経歴

Dōi 働衣 デザイナー
熊本在住

※今展は展覧会開始日が通常とは異なり、土曜日スタートとなります。
ご来店の際はご注意下さい。

pagetop